サッカー狂映画監督 中村和彦のブログ

電動車椅子サッカーのドキュメンタリー映画「蹴る」が6年半の撮影期間を経て完成。現在、全国で公開中。

追悼・原田芳雄さん

2011年07月19日 | 映画

原田芳雄さんが亡くなった。

昨日、その事実を知った時は、言葉を失ってしまった。

原田芳雄さんとは、助監督の時に3度ほど仕事したことがある。
ご自宅にも、作品の打ち合わせと、餅つき&大宴会にもお邪魔したことがある。

 仕事をしたなかで、印象に残っている作品は、「鬼火」(監督・望月六郎)。
芳雄さんは、出所したばかりのヒットマン国広の役(主役です)。全編大阪ロケの作品だった。
ちょうどアトランタオリンピック開催中だった。

俺はその時、チーフ助監督でスケジュールをたてていたのだが、夜明け前出発を繰り返す俺に、芳雄さんが「中村、俺はにわとりじゃないんだ」と言われたことをよく覚えている。
「映画はどう“遊ぶ”かだ」というふうなことを常々語っていた芳雄さんにとっては、撮影期間の短い現場は大変だったと思う。俺は「いや、まあ、へへ」と頭をかきながら情けない対応をしていたが、芳雄さんは、そうは言いながらも、きっちりとスケジュールに対応してくれた

撮影もなかばを過ぎた頃(たぶん)、その日は、国広(芳雄さん)が二人を殺すシーンの撮影予定。ナイトロケでかなり遅くまでの撮影になる予定だった。
朝の準備の時に、セカンド助監督があわてた様子で走ってきた。「原田さんが『今日の撮影は早く終わるから、ホテルに戻ってマラソン(五輪の)が見れる』と言ってるんですけど」。
「何を考えてるんだ!芳雄さん、今日マラソンなんか見れるわけないだろう」と思いながら、あわてて芳雄さんのところにすっ飛んでいった。
芳雄さんが言うには「国広(芳雄さんが演じる役名)は、殺す時はすぐ殺すから。追っかけたりしないよ」
なるほど、その通りだ。
脚本では、ビルの表で1人を殺した後、逃げるもう1人を追いかけ路地裏で殺すことになっていた。ロケハンした結果、料亭の表で1人を殺し、逃げるもう1人を追いかけ、すぐ近くの公園で殺すことになってた。
芳雄さんとしては、ヒットマンである国広は何のためらいもなく料亭の前で二人とも殺すよ、みすみすその場から逃がすようなことにはならないよ、ということだったわけだ。
「その通りだ!」と思い、監督・プロデューサーも呼んで話し合った結果、全員が納得し、芳雄さんが言った形になった。
撮影した映像は、明らかに予定していたより、いいシーンになった。
おかげで、スタッフもマラソンが見れたはずだ。

 亡くなった翌日に、殺す殺すと、物騒な文面になってしまったが、芳雄さんを語り、作品を語ることがせめてもの供養かと思い、書き記しました。

それにしても、芳雄さんは体がすごく柔軟だったのを思い出す。地方ロケのホテルやご自宅で飲んだりする時、ストレッチをしながら飲まれていたが、当時の俺なんかよりはるかに柔軟だった。そんな姿を見て「若いなあ、このオッサンは」と思ったものだ。

原田芳雄さんのご冥福をお祈りします。

 


一昨日の「アイ・コンタクト」上映

2011年07月19日 | 映画「アイコンタクト」について

一昨日、千葉県流山市で「アイ・コンタクト」の上映がありました。
顔を出す事はできませんでしたが。

観ていただいた方から、「
誠に絶妙なタイミングで、「アイコンタクト」の映画と「なでしこジャパンの優勝」のテレビを観て、感動・感激の2日間でした。」といった内容のメールをいただきました。

観ていただいた方々、ありがとうございました。


なでしこ凱旋帰国

2011年07月19日 | サッカー

なでしこジャパンのメンバーが凱旋帰国した。

ワールドカップを掲げていたのは、GKの福元美穂。ワールドカップで出場機会がなかった選手。
アジアカップで、出場機会のなかった権田と森脇がアジアカップを掲げて帰国したことを思い出した。その時は、ザッケローニ監督が指示したらしいが、今回はどうだったのか。

今回出場機会がなかったのは、福元美穂のみならず、山郷のぞみ、矢野きょう子の3人。
ベテランの山郷、矢野両選手が福元に華を持たせたのかな。
ドイツ戦で素晴らしいゴールを決めた丸山選手が、
「山郷さんとの練習の成果、このシュートを止められるのは山郷さんだけです」と語っていたのが印象的だった。

南アフリカワールドカップで、控えに回ったベテランの川口や楢崎が出場した選手をささえたように、山郷選手や矢野選手もきっと出場した選手を支えたのだと思う。
出場機会のなかった選手の皆さんも、本当にお疲れ様でした。


日本代表

2011年07月19日 | サッカー

 (携帯から投稿したら全文掲載されなかったので投稿しなおしました)

高速バスが、なかなか進まないので、携帯からの連続更新。
この3連休のことなど。

土曜日は午前中、手話の勉強をして、午後から、電動車椅子サッカーを観戦。
地区選抜同士の対戦や日本代表の強化試合。
車椅子の制限速度10kmの国際ルールでの競技の生観戦は恥ずかしながら初めて。映像は見てます。
国内特別ルールは、一般道の制限速度である6km。こっちは生観戦したことあるが。
10km だと、ボールに追い付けるし、パスがつながる。例えば、スペースへボールを出して、クロスを入れ、ダイレクトボレーも可能。ダイレクトといっても電動車椅子が飛びあがるわけではない。電動車椅子じたいを回転させて、前方に取り付けたガードでボールを蹴る。
また細かい動きもOK。例えば、後方でトラップし、反転してシュートとか。
もう本当にサッカー。
各選手の力量も以前よりかなりアップしていて、観ていて本当に面白い。
柔らかなボールタッチの選手がいたり、メッシのような選手がいたり。
11月にはパリで、第2回目のワールドカップが開催されます。
岡田前日本代表監督も来てました。


そして、昨日今日がろう者サッカー日本代表の合宿。男女の代表の練習試合をしっかり見てきた。

この連休では、ブラインドサッカーの合宿もあったんですがそっちには行けず、残念。