サッカー狂映画監督 中村和彦のブログ

電動車椅子サッカーのドキュメンタリー映画「蹴る」が6年半の撮影期間を経て完成。現在、全国で公開中。

ブラインドサッカー日本代表、パラリンピック出場ならず…

2011年12月24日 | ブラインドサッカー

第1試合で韓国が中国に敗れたことにより、日本代表は引き分け以上でパラリンピック出場が決まる。
そういった状況でむかえた日本vsイラン戦。
先発メンバーは、GKが安部尚哉に代わった以外は前日と同じメンバー。
GK交代の理由はわからない。

試合は両チームとも激しい闘志を見せ、球際の争いでも一歩も譲らない展開。
イランの6番が開始早々強烈なシュートを放つが、GK阿部選手がはじき出す。
20分過ぎには、ヤス(佐々木康裕)のシュートが惜しくもゴールポストを叩き、前半を0対0で折り返した。
いやあ本当に惜しかった。

しかし、もしそのままゲームが終了すれば、パラリンピックの出場が決まる。


後半に入り、トモ(黒田智成)が次々にチャンスを作り出す。
2分のシュートは惜しくもゴール左に外れ、
6分にはGKと1対1になり、押し込めるかと思われたがノーゴール。

そしてむかえた後半7分、左サイドからのイランのシュートはポストに当たったもののゴールに吸い込まれ、イランが先制点をあげた。
思わず、ピッチ脇で「あー」と声をあげてしまった。
撮影していれば、絶対に声を出すことは無いが…。

その後、ヤス(佐々木康裕)やカトケン(加藤健人)が強烈なシュートを放つが、イランのGKが立ちはだかる。
ビッグセーブの連発。
イランのGKは、コーチングでも強烈に存在感を発揮していた。

後半18分には、イランがカウンターから6番の強烈なシュートで8分に追加点をあげ、
日本は2点を追う展開となる。
終了間際、日本は第2PKのチャンスを得たもののシュートはジャストミートせず、試合終了。

日本はイランに0対2と敗れ、パラリンピック出場権を得ることはできなかった。

本当に残念だった。
パラリンピックの出場権を、手を伸ばせば届く位置まで手繰り寄せたが、イランの方に転がっていった。


黒田選手(トモ)が「(日本も)フィジカル、スキル、メンタル面などレベルアップしてきたが、イランはそれ以上に実力をあげてきていた」語るように、アジア各国のレベルはかなり上がってきているようだ。

「(日本代表がさらにレベルアップするためには)国内のブラインドサッカーが強くなることが第一。クラブチームで、一つ一つできることをやっていく」ことの重要性を落合選手が説くように、ブラインドサッカー全体の底上げが必要なのであろう。
日本代表がワールドカップに出場するためには、Jリーグの底上げが必要だったのと同じように。

「日本の力の100%は見せることができなかった、ただ選手たちは全力を出した」という落合選手の言葉通り、「本当に勝ちたい!パラリンピックの出場権を勝ちとる!」という強い気持ちが試合会場にかけつけた全ての人々の心に届いたことだけは間違いない。
 
彼らは、あきらめずに最後までプレーする姿を見せてくれた。