トルコサムスンで開催中のデフリンピックで、女子バレー日本代表(=デフ火の鳥NIPPONN)が3大会連続金メダルのウクライナを、セットカウント3-0で破り決勝に駒を進めた!
なんと初戦から6試合、1セットも奪われないままでの決勝進出!
準決勝ウクライナ戦のスタートメンバーは、前衛右からウイングスパイカー尾崎、ミドルブロッカー宇賀耶、オポジット(=セッター対角)平岡、後衛は右からセッター中田、ミドルブロッカー山崎、ウイングスパイカー安積。
全体として、リベロの高良は宇賀耶、平岡、山崎が後衛に下がった時、休ませる為に機を見て出場するという感じ。村木は時折、ピンチサーバーで出場。
きちんとチームを見たのは恥ずかしながら4年ぶりだった。前回大会決勝ウクライナ戦でコートのすぐ脇にいて以来だ。
今回はネット観戦ですが。
4年前、ウクライナには全く歯が立たないという印象だったが、この4年間で地力をつけ
た日本の堂々たる実力勝ち。
ウクライナは世代交代がうまくいっていないのだろうか。そういった面もあったかもしれない。
日本チームは4年前、山崎はウイングスパイカーで別格のような存在に感じられたが、今回はいい意味でチームの歯車のような印象。ミドルブロッカーとして出場しているのも、尾塚の台頭があったからだろう。
また前回からいた選手達も個々の基礎技術があがっているように見えた。安積は相変わらず頼りになったし、ひ弱な印象もあった宇賀耶はとてもたのもしく見えた。新メンバーの平岡の活躍も印象的。
大会前『目で聴くTV』のインタビュ-で狩野監督が「今回のチームは前回と比べると守備は弱いかもしれない。ただし攻撃陣は多彩でセッターの出来が鍵を握っている」的なことを言われていた。
セッター中田も安定していたように思う。中田は弱冠16歳、おそるべし。
彼女の年齢を考えると、この4年間きっとセッターはなかなか定まらなかったのかもしれない。
前回控えセッターだった高良は今回リベロでの出場。リベロは前回キャプテン柳川が務めていたポジション。いろいろと思うとこもあったかもしれないが、ムードメーカー的な役割も担いつつスパイクを拾っていた。
観客席ではデフサッカー男子日本代表の選手たちも懸命の声援を送るなか、まず日本が先行し、1セットを25-18で取る。
2セット目はウクライナが先行する。日本も追い上げ、7-7の同点に追いつく。しかしウクライナが再び引き離す。その後もなかなか追いつけない展開が続く。
その後、17-19から追いついた2ポイントが大きかったように思う。
安積、山崎が拾ってつないで尾塚が打ち切って1点差。そして再び拾ってつないで宇賀耶が決めて同点。
前述のインタビュ-で「拾って拾って得点につなげる」というようなことも言われていたが、まさにそういった得点。山崎、安積は守備面でも貢献していた。
そして尾塚のサービスエースでセットポイント、最後は安積が決めて2セット目を25-23で奪った。
2セット目を相手に渡さなかったのが大きかったように思う。流れがいったんウクライナに傾いたら、どうなっていたかわからないだろう。
3セット目は、平岡が押し込んでマッチポイント、最後は尾塚のサービスエース25-20、ついに日本がウクライナを倒した。
決勝の相手はおそらくアメリカだろう。
日本はウクライナ相手に前回大会のリベンジを果たした。アメリカも準決勝で敗れた日本に勝つためにトルコに来ただろう。
アメリカの団体競技で唯一、バレーだけが今回出場しているのはそういった思いもあったからかもしれない。
とにかくどちらにとってもしびれる試合になることは間違いないだろう。
決勝は28日金曜日21時(日本時間)、youtubeのデフリンピックチャンネルで中継もある。
この歴史的な一戦を見逃すと後悔することになるだろう。
(敬称は略させていただきました)
追記
その後、行われた準決勝イタリアとアメリカの対戦で、アメリカではなくイタリアが勝利。
アメリカが26-24と第1セットを制するものの、イタリアが第2セット29ー27、第3セット26-24、第4セット25-20と連取、セットカウント3-1でイタリアが決勝進出。
かなり激しい試合だったようです。
イタリアはグループリーグでは3-0で日本は勝っているが、勝負はどうなるかわからない。バレーは流れが傾くと一気にいく場合も多いですから。
奇しくもイタリアはサッカー代表が敗れた相手、バレーはイタリアに勝ってください。