原発事情を考える
震災後これまで、夏冬の電力不足が原因で、大停電になることがなかった。
関西電力では95パーセント超の電力供給を厳しいとしている。が、実績を見る限り、電力業界は夏冬のピークの需給が極めて厳しいと言ってきたがこれは説得力がない。
原発再稼働を急ぐ第1の理由に電力不足を掲げていたがこの3年間は原発ゼロで乗り切っただから今度はコスト増による経済への影響が強いと強調するようになった
節電の取り組みが大きく進んだ歴史的な猛暑となった13年夏でも全国の最大電力使用は10年前と比べて9.7パーセント減った。これには工場の海外進出が進み製造業向けの電力が減っていること起因している
震災後日本は電力の9割をLNGにたよってやっている。その結果発電に使う燃料費がかさみ電力会社の経営を圧迫している
方向としては原発ゼロが正しいと思うが、経済社会の実態をそのままにしておいては0は難しい。
例えば猛暑の中で工場フル稼働し労働者を長時間働きし続けさせる経済社会を続けていいのかどうかということが問題である。これは政府主導のバカンス利用と言うことにもつながる
原発は安全性に問題がある上に放射性廃棄物をどう処分するのかという道筋が見えない。
また原発は地域社会に不安や紛争を引き起こすなど電力会社の決算には見えない外部費用が大きすぎる
しかし結果的に電力不足は起らなかったが、電力会社はコストを度外視して緊急対策を続けておりこれは持続可能ではない
電気料金は震災前より2割上がったがそれすら再稼働を前提にしている。
原発が動かなければもっと値上がりする可能性があるが、それは不利な経済活動に直結する
放射性廃棄物問題は、今原発ゼロにする中にはならない廃棄物として存在しており、処分場を決めるのは政治の責任だ。が、そう簡単には行くまい。
長期的には原発をどの程度維持するかは再生エネルギーの量やコスト、省エネ、電力市場改革をどう進めるかなどで変わるから、再生可能エネルギーは開発に全力を尽くすべきだ。今の内閣は再稼動に熱心で、再生エネルギーに向かっては消極的な態度に終始しているように見えて仕様がない。
原発即停止が難しいのならドイツのように卒原発的な発想をいちから強く打ち出すと、再稼動の抵抗感も和らぐのではないか。