日々雑感

心に浮かんだこと何でも書いていく。

遠藤実先生3-47

2018年02月04日 | Weblog
遠藤実先生

理屈で言うよりも、行動でという人の方が説得されやすいというのが僕の質である。
考えることだけなら誰でもできるが、いざ行動をと、なったら誰でもできるというわけにはいかない。自分がそうであるから、行動の人を尊敬してしまう。

そのとき僕は日本作曲家協会の廊下で椅子に腰掛けて、人を待っていた。

人影が現れたとき、その人が誰であるかはすぐわかった。
先方は面識もない この僕をどう認識されたか知らない。

高名な作曲家遠藤実先生が歩いて近づいてくるので、僕は起立してお辞儀をした。
顔を上げたときに先生が合掌して頭を下げて挨拶をされたのを知った。
いやー。びっくりした。

泥沼のような環境からはいあがり、人の心を打つ名曲の数々を作られて今日の栄冠を勝ち取られた才能と努力には、頭が下がると言うよりは、仰ぎ見るような
尊敬の念を僕は持っていた。
だから先生の合掌姿を見たとき、土下座をして挨拶したら良かったのかなーとさえ思った。

にこやかな笑みを浮かべて先生は通り過ぎて行かれた。

もう何十年も昔の話だが、あの一瞬は 今も鮮やかな写真として頭に残っている。