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2020年度・二級建築士受験ブログ講座「建築法規」Vol.15:容積率

2020-05-07 08:24:02 | ビジネス・教育学習

◇過去6年間の出題傾向から、高さ規制の問題では、図形計算問題が有力である事は、疑う余地はないと思います。
◇加えて、建蔽率との混合文章問題の重複出題も有り得るので、注意すべきと心得ます。
◇内容的には、容積率計算の延べ面積への不算入事項が出題されると思っても過言ではないと推察。
◇暫く出題が無いですが、道路容積率、みなし道路、面積加重平均の複合要素問題が気がかりです。
◇既に一級建築士で出題されている、特定道路の要素を加えた複合的出題も有り得ると思っています。
◇また、建蔽率と容積率の複合図形計算問題も、一級建築士試験では続いていますので、二級でも要注意です。
◇なお、5択式文章問題を容積率で占めた場合、予想外の部分からの出題にも、気を付けましょう。

◇重要事項①(法52条3項):容積率計算の面積算定で、算入しない地階の部分を把握する。
 ・天井が、地盤面から高さ1m以下の高さにある居室。
 ・住宅、老人ホーム、その他これらに類する用途の居室。
 ・算入しない床面積(控除部分)は、当該居室の1/3を限度とする(1/3以内)。
 ・法52条6項に該当する床面積に算入しない用途の部分は、6項の規定に従う(ここでは除外)。
  (この説明については、H30年の二級建築士試験問題を参照すると分かり易いです。)

◇重要事項②(法52条6項):容積率計算の面積算定で、算入しない用途の部分を把握する。
 ・共同住宅、老人ホーム等の用途の供する建築物の、共用の廊下、共用の階段部分。
 ・すべての建築物の昇降機の昇降路の部分(エレベーター・シャフト部分)。
  (これは、バリアフリー化の為に、外付けエレベーターの増築工事促進という趣旨のようです。)

◇重要事項③(令2条1項、同3項):容積率計算で、延べ面積から控除できる部分と割合を把握する。
 ・令2条1項四号イ、同3項一号:自動車車庫部分は床面積合計の1/5を限度に不算入とできる。
 ・令2条1項四号ロ、同3項二号:備蓄倉庫部分は床面積合計の1/50を限度に不算入とできる。
 ・令2条1項四号ハ、同3項三号:蓄電池設置部分は床面積合計の1/50を限度に不算入とできる。
 ・令2条1項四号二、同3項四号:自家発電設備部分は床面積合計の1/100を限度に不算入とできる。
 ・令2条1項四号ホ、同3項六号:宅配ボックス設置部分は床面積合計の1/100を限度に不算入とできる。

◇重要事項④(法52条9項、令135条の18):特定道路による道路幅員緩和の計算方法を把握する。
 ・特定道路(幅員15m以上)に、前面道路(6m以上12m未満)が境界線から70m以内で接する場合。
 ・令135条の18により算出した緩和道路幅を、前面道路幅に加算して道路容積率を算出できる。
 ・令135条の18:Wa(前面道路幅に加算する数値)={(12-Wr)×(70-L)}÷70
          Wr=前面道路の幅員
          L=特定道路と全面道路の敷地境界線と接するまでの距離

◇重要事項⑤:許容延べ面積の最高限度を計算する基本的な図形問題の要素を把握する。
 ・法52条2項:都市計画容積率(問題記載)と道路容積率(前面道路規制)の厳しい方で算定する。
 ・最高限度の値は、それぞれの用途地域別に計算をして合算する、面積加重平均で算定する。
 ・法42条2項道路に接する場合、みなし道路境界線による敷地面積算定への注意が必要。
 ・二級では出題が無いが一級では出題事例がある、特定道路の要素を加味した図形計算問題に注目。
  (H26、H28、H30、R1の一級建築士試験問題参照。)

2020年5月7日 by SHRS(シュルズ)一級建築士、建築基準適合判定資格者

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