一人想うこと :  想うままに… 気ままに… 日々徒然に…

『もう一人の自分』という小説を“けん あうる”のペンネームで出版しました。ぜひ読んでみてください。

僕の将来

2005-11-13 21:10:16 | 日記・エッセイ・コラム
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 ご主人様と奥様は、娘と彼氏を連れて旭川の旭山動物園に行った。
ここは地方動物園ながら、動物本来の生態や行動を見せる事で一躍有名になった動物園だ。
開園の10:30前には着いたのだが、門の前にはすでに行列ができていた。
開園と同時に皆人気のあるところに走り出す。
ご主人様達は、まず白熊館に行った。
愛嬌たっぷりの白熊が思いっきりダイブして迎えてくれた。
聞いていた通り、動物の見せ方は最高だ。
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 ペンギン館では頭の上や横をペンギンが空中を飛ぶように泳いで行く。
アザラシ館では大きなチューブの中を上に行ったり、下に行ったり。
観客は皆釘付けになっていた。
でも思った。
ここの動物園では、見られているのは動物ではなく、人間達ではないのか?
動物達の目を見ていると、ふとそんな錯覚に陥った。
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 その後、猛獣館に行くとライオンの周りは人でいっぱいだったが、ご主人様は別の猛獣に会いに行った。
ご主人様が動物園に来たかったもう一つの理由は彼に会いたかったからだ。
その彼は人気の無い獣舎に一人たたずんでいた。
時折パラつく雪も気にせず、ジッと人の動きを見ている。
「おまえら、何がそんなに楽しいんだ?」
とでも言いたげな目をしている。
 獣舎の中をうろついたり、人間に媚を売る動物が多い中、黒豹は別だ。
いつもジッとたたずみ、こちらを見ている。
「こんなところに閉じ込められてもオレはオレだ。おまえらとは関係ない」
そんな威厳めいたものさえも感じられる。
 ご主人様は黒豹が大好きだ。
時々、僕を見て、
「大きくなったら黒豹のようになれ」
と言う事があるが、そんなのは土台無理な話。
僕は僕であり、どうやっても猫だ。
絶対に黒豹なんかにはなれっこない。
僕は・・・
黒猫だ。


コメント
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