一人想うこと :  想うままに… 気ままに… 日々徒然に…

『もう一人の自分』という小説を“けん あうる”のペンネームで出版しました。ぜひ読んでみてください。

地球温暖化防止策・・・?

2005-11-27 17:26:01 | 日記・エッセイ・コラム
 今日のご主人様はお休みのようだ。
何もする事がないのか、昼前にやっと起きてきた。
 僕がストーブの前でゴロゴロしていると、ベランダの窓を開け、ほやほやぶどうを摘んで食べている。
甘くて美味しそうだ。
そのうち裏庭に出て行った。
僕も暇なのでついて行った。
 庭に出ると風がないせいか、昔なつかしい匂いがしてきた。
そう、屋根の煙突から出る煙の匂いだ。
ご近所でもいまだに石炭や練炭、それに薪を焚いている家がある。
向かいの古民家に住むHさんと、その隣に住むSさんだ。
 ご主人様は、「なつかしいなあ」と思い、玄関先に周った。
あらためて向かいの家を見ると、両家の庭は同じようにすごかった。
木の枝が伸び放題に伸びている。
特にSさん宅は圧巻だ。そのうち家が見えなくなってしまうんではないかと思うほどだ。
そこに町内会の人が広報誌を持ってやって来た。
「お疲れ様です」と言うと、町内会の人はSさん宅に向かった。
すると、門の前で立ち止まり、中を覗き込んでいる。
そして一度首をかしげると、そのまま通り過ぎてしまった。
「あれっ?」と思ったが、ご主人様には何となく理由がわかっていた。
そこへSさんが家から出てきた。
「こんにちは」とご主人様は声をかけた。
「Sさん、そろそろ枝を切った方がいいんじゃないですか?」
と言うと、Sさんは不思議そうな顔をして言った。
「どこの家も皆道路に枝は出ているよ」
「いやいや道路に出ている枝ではなく、門から玄関までの木の枝ですよ。
あれじゃあ腰をかがめないと通れないよ。
それにさっきも町内会の人が来たけど、覗いただけでそのまま通り過ぎちゃった」
ご主人様がそう言うと、Sさんは何となくわかったようだ。
「空家だと思ったのかなあ」
そう言うと、Sさんなりの持論が出てきた。
「でもね、Yさん、あれはあれで通る時に雨が当たらなくて、なかなかいいんですよ。
それにですね、京都議定書の主旨にのっとり、二酸化炭素を減らし、地球温暖化防止のために・・・・」
としばらく延々と続き、最後に、
「ですから、隣のHさんとも相談しまして、せめて二人でできることと言えば緑を増やすこと。
そのためには庭の草木を切らず、伸び放題に伸ばしましょう。
と言うことになったのですよ」
最後まで聞いていたご主人様は納得した。
納得したと言っても、別に地球温暖化防止策に納得したわけではない。
SさんとHさん。この二人の性格にあらためて納得したのである。
「早い話が草刈や枝払いが面倒くさいだけだろう」
そう思ってブッと笑ってしまった。
 この通りには二人のユニークさは必要だ。
少なくともご主人様はそう思っている。
なんだかほんわかと潤滑油の役目をしているのだ。
 ご主人様は思っていた。
二人の地球温暖化防止策。
陰ながら応援してます・・・?


コメント
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