旭山動物園の帰り、娘に誘われるまま深川市音江町にある聖マーガレット教会に向かった。
教会に隣接しているレストランで食事をしたいということだ。
日がとっぷりと暮れている中、看板を頼りに車を走らせた。
しかし、最初の看板から1.5kmという表示だけで、その後は全くわからない。
真っ暗な農道をひたすら走り続けた。
時折ヘッドライトに照らされる道路脇の溜池が不気味に光っている。
どうやら結構昇っているらしいが、真っ暗闇のためどこを走っているのか方向感覚がまったくわからない。
「本当にこんな山奥に教会なんかあるのか?」
そう思ったときだった。
漆黒の森の中から、忽然とその教会は現れた。
クリスマスのイルミネーションに飾られ、厳かな雰囲気を醸し出している正統派英国スタイルの教会だった。
四人はしばらく圧倒されそうな外観を眺めた後、レストランに入っていった。
案内板を見ると、数組の結婚式があったようだ。
席につくと窓には深川の夜景が綺麗に映っていた。
雰囲気もロケーションも抜群だった。
食事をしながら、娘が彼氏に何か言っている。
「ここもいいよね」
小耳にはさんだご主人様は、「ん?」といぶしげな顔をしていた。
「こいつら何を考えているんだ?」
そう思った時、彼氏が訊いてきた。
「おじさんたちはどこで結婚式をしたんですか?」
奥様が答えた。
「本当はニセコの教会でしたかったんだけど、仕事関係の人たちを呼ばなければならなかったので、結局ホテルでしたのよ」
「フーン、そうなんですか」
彼氏は食べながらうなずいていた。
「こいつら何を言いたいんだ? いや、何を言ってほしいんだ?」
ご主人様がそう思った時、奥様が言った。
「あなた達は自分達がしたいところでおやりなさい」
この言葉を聞いた時、ご主人様はたいそうあせっていた。
「ちょ、ちょっとまてよ。だめとは言ってないが、まだ許してはいねーぞ。それに、おまえらまだ学生だろ」
しかし、ご主人様以外の三人は当たり前のように話していた。
食事が終わり、会計をしていると、奥の部屋で新婚カップルが友人達と談笑していた。
花嫁は本当に綺麗で可愛かった。
「いつかはああなるのか」
ご主人様は心の中でつぶやいた。
帰りの車の中、ご主人様は何年か先のことを考えていた。
そして、ちょっとだけの寂しさの中、ほんわかとした嬉しさを感じていた。
教会に隣接しているレストランで食事をしたいということだ。
日がとっぷりと暮れている中、看板を頼りに車を走らせた。
しかし、最初の看板から1.5kmという表示だけで、その後は全くわからない。
真っ暗な農道をひたすら走り続けた。
時折ヘッドライトに照らされる道路脇の溜池が不気味に光っている。
どうやら結構昇っているらしいが、真っ暗闇のためどこを走っているのか方向感覚がまったくわからない。
「本当にこんな山奥に教会なんかあるのか?」
そう思ったときだった。
漆黒の森の中から、忽然とその教会は現れた。
クリスマスのイルミネーションに飾られ、厳かな雰囲気を醸し出している正統派英国スタイルの教会だった。
四人はしばらく圧倒されそうな外観を眺めた後、レストランに入っていった。
案内板を見ると、数組の結婚式があったようだ。
席につくと窓には深川の夜景が綺麗に映っていた。
雰囲気もロケーションも抜群だった。
食事をしながら、娘が彼氏に何か言っている。
「ここもいいよね」
小耳にはさんだご主人様は、「ん?」といぶしげな顔をしていた。
「こいつら何を考えているんだ?」
そう思った時、彼氏が訊いてきた。
「おじさんたちはどこで結婚式をしたんですか?」
奥様が答えた。
「本当はニセコの教会でしたかったんだけど、仕事関係の人たちを呼ばなければならなかったので、結局ホテルでしたのよ」
「フーン、そうなんですか」
彼氏は食べながらうなずいていた。
「こいつら何を言いたいんだ? いや、何を言ってほしいんだ?」
ご主人様がそう思った時、奥様が言った。
「あなた達は自分達がしたいところでおやりなさい」
この言葉を聞いた時、ご主人様はたいそうあせっていた。
「ちょ、ちょっとまてよ。だめとは言ってないが、まだ許してはいねーぞ。それに、おまえらまだ学生だろ」
しかし、ご主人様以外の三人は当たり前のように話していた。
食事が終わり、会計をしていると、奥の部屋で新婚カップルが友人達と談笑していた。
花嫁は本当に綺麗で可愛かった。
「いつかはああなるのか」
ご主人様は心の中でつぶやいた。
帰りの車の中、ご主人様は何年か先のことを考えていた。
そして、ちょっとだけの寂しさの中、ほんわかとした嬉しさを感じていた。