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法話 悲しみを乗り越えて その3

「ゴータミーよ、死者を弔ったことのない人から
 カラシ種をもらって来なさい。
 
 それで薬を作ってあげよう」



お釈迦様の言葉に、
彼女は どこにでもあるカラシ種ならと、
町の一軒一軒を 

「あなたのお身内に 亡くなった人がいなければ、
 どうか カラシ種を分けて下さい。

 お釈迦様が そのカラシ種で 
 この子を生き返らせる薬を作ってくださるのです」

と尋ね歩きました。



しかし、身内に死者を出した事のない人など 
いるはずがありません。

皆 悲しげに
「残念ですが・・・」
と 目を伏せます。



町のすべての家々を訪ね終えて
呆然とたたずんでいたゴータミーにも、
お釈迦様の言おうとされた事の意味が
だんだんにわかってきました。



狂気から覚めた彼女は、
我が子を手厚く荼毘に付し、
自らの身もきれいに清めて お釈迦様の元に戻りました。



「ゴータミーよ、カラシ種は見つかったかね?」

お釈迦様の問いかけに、彼女は

「偉大なお方、
 私には もうカラシ種は 必要ありません」

と答えました。



お釈迦様は 黙ってにっこり うなづかれたという事です。





                        続きます


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