北のとうさんの鉄道旅・アマチュア無線JA8HBO

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新型特急車両の開発中止で261系の時代がやって来た。

2014年09月11日 | うんちく・小ネタ
261系1000番台のスーパーとかち


一昨日、北海道旅客鉄道(株)は最終段階まで進んでいた新型特急車両の開発を中止し、軌条検測車など他の用途に転用すると発表した。160両の新製を予定した新型車両の突然の開発中止のニュースは、多くの鉄道ファンを驚ろかせ、失望の声が相次いだ。JR北には興味を失ったなどと嘯く本州のファンも居たほどだ。
試作車両はほぼ完成し、10月には試運転開始かと噂される段階での発表であった。
4月の年度計画でも開発を公表し、今までも何かにつけて謳い上げてきた車両である。
今回は、新幹線開通への準備投資と車両の高速化から安全対策に転換したという理由を挙げての中止発表であった。

正直、かなり期待していたので、私の落胆は大きい。新幹線札幌延伸に反対し、かねがね在来線の高速化でよいのではないかと考え、公言してきただけに「やはり新幹線か」と、在来線の高速化への期待が潰えたことには失望を禁じえない。
多額の維持費が必要で損益分岐点が低いとは言えない新幹線が人口減少社会の中で成り立っていくのかは疑問なのだ。札幌へ延伸する今世紀中頃には日本の人口は1億人を割り、本道の人口は4百万人半ばまで減少する。65歳以上の割合も30%近くとなる超高齢社会だ。人の移動も相当に減少するだろうに。

さて、183系などの後継として、今後10年かけ261系特急車両を現在の30両から、さらに130両増備することになるようだ。そして、現在の183系、281系と283系特急車両の経年老朽化と共に、順次置き換わっていくことになる。
簡単な話、北海道の特急はすべて261系のみにするということだ。これによって保守や費用の点では大きなメリットが生まれてくるのは明白だ。
一時期の183系車両のようなことになる。路線によって使用車両が異なる現状と比較すると予備車両の削減にもつながる。
私は261系自体は大好きな車両だ。大げさに言えば名車ではないかと考えている。北海道に261系という車両があったことは実に幸いなことだった。
281、283という振り子特急車両を開発した柿沼氏の最後の置き土産ということになる。
車体傾斜装置を搭載しない形での増備も検討されているが、今の弱体化したメンテナンス体制では良しとしよう。

同じ置き土産のDMVは、ほとんどお蔵入りのようだが、
このままでは、廃線も現実味を帯びてくるような路線が相当にある。今後は普通列車用の新型車両の早期の開発に力を入れて欲しいものだ。キハ40に問題が続出しないうちに・・・・。

さて、新型特急の開発コンセプトは
①車体傾斜を空気圧式と振り子式を併用することによって傾斜を拡大し、曲線走行時の速度をさらに上げることが出来る。
②ディーゼルエンジンと電動モーターを併用する「MAハイブリッド駆動システム」により既存の気動車に比較して大幅な燃費向上と温室効果ガス等排出低減の実現。

ということだ。①に関しては、コストとメンテナンスの両面から現状では過剰な装備であると判断したとしている。
 私も、この点については、新型特急に期待しつつも一抹の不安を感じていた点なので、正直納得できる。
社員の年齢構成が歪(いびつ)な現状では整備技術者の確保も難しいだろう。
 さて、②については、近年のディーゼルエンジンの制御技術の進歩によって、元々ガソリンエンジンより高効率な優位性を生かしつつ、ディーゼルエンジンの弱点といわれてきた排気ガスの清浄化技術も進んでいる。
したがって、順次261系に新しいディーゼルエンジンを搭載することによって、排気ガスと燃料消費も相当程度改善できるものと考える。
しかし、エコロジーの観点からは一層の改善が求められるし、札幌駅等での停車時のアイドリング騒音の低減のためにも、「MAハイブリッド駆動システム」については今後も研究を続けて欲しいものだ。

発展する企業はR&Dを怠らないものだと、若き日に大学の教授から教えられたが、このまま現状維持のような技術を温存するだけならば、企業としての北海道旅客鉄道は社会での存在価値を失い、いずれは成り立たなくなってしまうのではないか。
企業の経営も攻めるときと、守るときがあるが、この会社は、今は守るときなのだろう。
ただ、いつの日にか、攻めるときが再び来たならば、かつての「苗穂魔改造」などといわれたような技術を駆使して「JR北海道ここにあり」といえるような企業に復活して欲しいものだ。

開いてて良かったセブンイレブン。持ってて良かった261系車両・・JR北万歳(●^o^●)
261系基本番台のスーパー宗谷

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