北のとうさんの鉄道旅・アマチュア無線JA8HBO

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JR北海道は区間別の収支を公表

2016年02月01日 | JR北海道 JR北
以下の表は先日の北海道新聞より転載です


先般、JR北海道は区間別の収支を公表(道地域公共交通検討会議の要求に基づいて資料として提出)した。

先日のブログで紹介した須田会長の講演でお話しされていたのがこの資料だったのだろう。
2014年度のものだが赤字の総額は約400億円。さらに全線が赤字と言うものだった。
意外だったのは、大方の考えでは札幌近郊は黒字だろうということだったが、それに反して26億円の赤字と言うことだ。
ただ、札幌に乗り入れる函館本線・札沼線・千歳線は乗客の利用区間が区分できないとのことでまとめた数字となっている。
営業係数からすると、同区間は管理費を除いた数字では黒字となっている。したがって、無人化や駅の省力化、外部委託などで管理費(固定費)を下げ、一定の運賃値上げをすれば黒字となる可能性はある。

これほどの寒冷地で保線や車両に費用の必要な北海道でありながら、運賃が他のJR各社と大きく変わらないと言うのもおかしなものである。
だから値上げしましょうということには賛成しないが(´・ω・`)。

 この数字の提出を受けて、道地域公共交通検討会議の経済界からの委員が、輸送密度500人以下の路線の見直し、廃線を言い出した。それはあまりに短絡的というか、真剣にJR北の問題を考えていないということだ。
幹線だけになった北海道の鉄道は何の魅力もなくなってしまう。それに赤字の閑散路線を廃線にしたところで、赤字の圧縮額はたかが知れている。それならば観光面で有効に利用できる路線は積極的に活用すべきだろう。
この経済界の委員の一人は新幹線札幌延伸後は丘珠空港から空路での二次交通に積極的で、鉄道、特に在来線利用には積極的ではない。
故坂本会長のいない今、地元経済界にパイプがなくなったJR北の弱点が現われている。
今後は、このような近視眼的発言ではなく、他の委員の方々の建設的意見に期待したい。

さて、私の拙い知識でJRH全体のの損益分岐点を算出しようとしたが、不可能だった。要するに、運行すればするほど費用が収益を超えて増加する。輸送密度の低い路線をカットしようが何をしようが絶対に利益は出ないのだ。一番の対策は大幅な運賃値上げだが、それは限度がある。
やはり、公共交通維持のためには税金を投入して必要な路線のみ路線を維持するべきなのかと思う。
分割民営化当時に考え出された経営安定基金の運用利益も、日銀のマイナス金利政策などで、ますます下がる一方であろうから、別のスキームを考え出す時期に来ていると考える。
また、残念ではあるが、沿線住民が必要としていない路線は存廃の議論を早急に進めるべきだろう。



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