北のとうさんの鉄道旅・アマチュア無線JA8HBO

札幌に住むおやじが北海道を中心に鉄道旅の話題や無線の話題も織り交ぜてぼやきます。アマチュア無線のコールサインJA8HBO

国土交通大臣の発言から読み取れるもの。

2017年04月13日 | JR北海道 JR北
新聞記事よると、石井啓一国土交通相は11日の記者会見で以下のことを語ったという事です。

①路線見直しの説明責任はあくまでJR北海道にあるとし、国はJRの指導役に徹する方針。沿線自治体とJRの協議については国の関与は最小限にとどめたいとの思惑の様子。
②JR北海道が訴える資金ショートの懸念については、法的には経営安定基金の取り崩しが可能であることに言及し、現実的には起こり得ないことを 示唆した。
以上引用
①については、「やはりそうですか」です。要するに、4社がうまくいった成功した現在の分割民営化の枠組みは守りたい。地元で何とかしなさい。という官僚的発想です。まさに地方早逝です((+_+))
次は②について
JR北海道は2017年3月期に98億円の純損失を計上する見通しとのことですが、分割民営化の際に得た7000億円近い経営安定基金があり、貸借対照表上の資産に計上されており、バランスシート上は5千億円近い「資産超過」という「優良企業」なっています。

 JR北海道の島田社長は20年度にも資金難に陥るとして路線の早期見直しの必要性を訴えています。たしかに流動資産と流動負債の額を見ると悲惨な状態です。
しかし、経営安定基金を取り崩すことができれば資金難に陥ることはないという事です
(参考)
旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律
(旅客会社の経営安定基金)
第十二条より  

3  基金は、取り崩してはならない。ただし、当該会社の純資産額が資本金、準備金及び基金の総額に満たなくなつた場合においてあらかじめ国土交通大臣の承認を受けたときは、この限りでない。

要するに債務超過に陥りそうなときは、取り崩せるという事。3年で資金が不足して列車の運行ができなくなることよりも、人がいなくなって運行できなくなることを心配するべきです。

しかし、島田社長が誤ったことを言ったという事ではなく、取り崩しは絶対に国が許さないだろうとの思いと、相当の危機感を訴えたいからでしょう。

ただし、基金は取り崩せば減少していくわけで、少ないとはいえ運用益として鉄道運輸機構から受け取っている「利息」は減るわけですから、いつまでも取り崩しに頼ることはできないでしょう。

しかし、沿線自治体の協力を得ながら一定の合理化を進めて、取り崩した基金金を使って残した路線と設備、車両の更新などを行い、前向きに攻撃的なマーケティングを進めることで利益の出る企業に生まれ変われば、いつまでも基金を取り崩し続けることもないでしょう。

(スーパー北斗から見た北海道駒ヶ岳)

「貧すれば鈍す」の今の状態を脱却すれば道は開けると信じます。
他社は豪華寝台列車を走らせますが、北海道で走らせれば、他社には絶対に真似のできない大自然が利用客の眼を楽しませることができるのです。
現に四季島がなぜ北海道まで来るのか、子供でも理解できます。素晴らしい資源を他社に使わせることはないのです(笑)。

ところで上の駒ヶ岳の写真はスーパー北斗の車内から撮りました。シャッターチャンスは20秒ほどです。私は慣れているので、カメラを抱えて待っています。
新函館北斗から大沼まで20から25‰の勾配を登り、トンネルを抜けると左側に小沼の向こうに駒ヶ岳が見える絶景ポイントがあります。私の大切にするLPレコードのジャケットがここの写真です。
しかし、長くは見えません。すぐに木立にさえぎられてしまうのでシャッターチャンスは短いのです。
なぜ、ここでアナウンスをしないのでしょうか、いつも感じます。少し減速しても良いでしょう。
特急宗谷は宗谷線の抜海付近で減速までしてアナウンスします。海の向こうに利尻島と礼文島が見えるからです。天候が悪くて見えなくても「今日は残念ですが、いつもなら・・・」で良いのです。
先月、山線に乗った時は運転士さんが運転席付近に居た乗客に「今日は羊蹄山がきれいですよ」と教えていました。
先月乗ってきた三陸鉄道は運転士が海岸の案内をします。
JR北海道にはできることを、しっかりすることを期待したいですね。せっかくのドル箱路線が泣きます。新幹線でも函館山を案内しているではありませんか。
先日から発売している乗り放題パスは好評と聞きます。このようなマーケティング゛を東日本から学んでほしいですね。
また、先日発表された「JR北海道わがまちご当地入場券」も反応は良いと聞きます。豪華寝台列車はずっと先のこととして、今できるマーケティングを一つひとつ実施してほしいものです。


(登別を走るかつてのトワイライトエクスプレス)

(札幌の市街地を回送するはまなす)


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