伊達だより 再会した2人が第二の故郷伊達に移住して 第二の人生を歩む

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ジャコシカ178

2021-02-12 16:37:26 | ジャコシカ・・・小説

 明らかに手紙は彼女に強い印象を与えていた。

 

 話しはあやにとっても驚きであった。

 

 「聞いていないわ。誰からかしら」

 

 あやは早くも胸の内がざわざわと波立つのを覚えた。

 

 彼女は改めて清子を見て言った。

 

  「差し出し人の名は覚えているかしら」

 

 清子は身を乗り出した。

 

 「私も実は余り不思議というかびっくりしたので、差し出し人の名を見たの。それで、その名を

 

見て一層不思議な気がしたので良く覚えているの」

 

 清子はそこで口をつぐみ、その先を言い淀んだ。

 

 「何て言う人」

 

 あやの声に緊張感がにじむ。

 

 そんな彼女の反応を見て、清子はたじろいだ。

 

 「でも、鉄さんが何も言っていないのなら私、言えないわ」

 

 「そんなこと言わないで。何も中身について聞いている訳じゃないのだし。それに秘密にするよ

 

うな手紙でないかも知れないでしょう。話しが途中までだと、気になってしかたがない。お願い言

 

って」

 

 清子はそれでもなお躊躇したが、やがて少こし声を落として言った。

 

 「野木和美さん」

 

 「住所は」

 

 「東京、それ以上のことは覚えていないの。あやさんに心当たりがあるんですか」

 

コメント
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