伊達だより 再会した2人が第二の故郷伊達に移住して 第二の人生を歩む

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ジャコシカ196

2021-06-14 17:26:13 | ジャコシカ・・・小説

 思いこみの強そうなところは、ちょっと気になるけれど、でも悪くないね。

 

 単なる思い付きでもなさそうだし。

 

 他ならぬ千恵ちゃんの頼みだから、二つ返事で恰好付けたいけれど、生憎私自身これから札幌で、

 

新しく足場を作らなければならないの。

 

 幸い後盾になってくれる協力者は有能だし、信頼もできる人だけれど、何もかもこれからなのよ」

 

 あやは取りあえず、自分の状況を話してから、千恵のこれかの選択肢について、基本的な意見を

 

述べた。

 

 一口に服飾関係と行っても、間口は驚くほど広い。どれほどの広さか、一つ一つ上げていても切

 

りがない。

 

 あやはまずはそのための学校に入る必要があることを告げた。

 

 学校と言っても大学もあるし、専門学校もある。自分は専門学校から始めたが、やはりそれは必

 

要なことだったと考えている。

 

 「大切なことはどの分野を選び、どこまでのレベルを目標にするかだと思う。単にデパートやブ

 

ティクの売子になりたいのなら、そういう店で経験を積むことから始めるのも一方法だと思うけれ

 

ど、どちらにしても最初のスタートラインは充分に考えないといけないわ。

 

 まだ卒業までに一年あるのだから、慌てることはないと思う。

 

 私の所に来るとか来ないとかの話しは、仮にそんなことがあるとしても、ずっと先の話しね」

 

 「まつたくこの子は、いつもこんな風に唐突なのよ。それで周りが振り回されているの」

 

 清子は首を振りながら妹を睨んだ。

 

「分かりました。充分に納得です。ありがとうございます」

 

 ペコリと頭を下げてから、急に片手を空に向けて突き上げ「うん!」と一言力を込めて言った。

 

コメント
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