伊達だより 再会した2人が第二の故郷伊達に移住して 第二の人生を歩む

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ジャコシカ52

2018-07-06 12:30:20 | ジャコシカ・・・小説
 「大発展、どんどん行って、それでパッと終わる。そうなる気がします」

 志乃は嬉しそうに笑いながら言った。

 それからちよっと考えてから付け足した。

 「そうなって欲しい・・・・かな」

 あやも少こし考えてから言った。

 「あなたが一番社長に似ているんじゃない」

 「解かっちゃったあ」

 彼女は今まであやが見たこともない、嬉しそうな笑顔で言った。

 思わずあやは戸惑いを隠せぬ視線で志乃を見た。

 彼女はあやより背が高く、全体に肉付きが良く大柄だ。その顔にあやのように整った派手さがあった

なら、デザイナーを目指すよりも、フアッションモデルとして適性がありそうだった。

 性格的には攻撃的、行動は突発的で定まらず捉えにくい。その上言葉がいつも意表を突いていてジャンプする。

 しかし彼女の面立ちはそんな性格や体格の見てくれとはまったく逆だ。

 少こし重たげな一重の細眼、高過ぎる鼻梁、厚く大きめの唇、それ等が示し合わせたように、彼女を鈍重に見

せている。

 あやがこのギャップに慣れるまでには時間を要した。

 どう捉えて良いのか戸惑わされるのだ。
 
 一年を経てようやく彼女はあやの中で、一定の人物像を結び始めた。

 それでもまだ彼女には、素直に馴染めないものがあった。

 あやは今そのことを改めて思い出させられていた。

 人を喰った彼女の物言いには、さすがに不快を覚えたが、それ以上に何かがあやからこの話しを続ける気を失

わせていた。

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