伊達だより 再会した2人が第二の故郷伊達に移住して 第二の人生を歩む

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ジャコシカ139

2020-05-01 15:28:19 | ジャコシカ・・・小説

 

 「いや、案外的外れな考えではないぞ。高さん今日はそう言うことで、娘達の護衛をやってくれ。

 

漁はわし一人でやる。

 

 なあに、大声出したり鈴を鳴らしていてくれりやいいんだ」

 

「鉄さん脅かさないで下さいよ。それじゃやっぱり出るんですか」

 

 高志は完全に真顔になって、ストーブの前で胡坐をかいて茶をすすっている鉄さんを見た。

 

 鉄さんはその言葉にちょっと考えてから言った。

 

 「高さんがいてくれりゃ大丈夫、わしも安心だ」

 

 「僕は安心ではありません」

 

 「出ないよ」

 

 「本当に」

 

 「本当だわしが保障する。でも山は急な坂ばかりだ、高さんが付いてくれりゃ、何かと心強い、

 

たのむよ」

 

 「分かりました。護衛やらせてもらいます」

 

 「ごめんなさい、悪いですね」

 

 清子がすまなそうに言った。

 

 「いいえ」

 

 高志は厭々という風でもなさそうに笑って「皆の分鈴はあるんだろうね」と誰にともなく言った。

 

 「4人分あります」

 

 すかさず千恵が答えた。

 

 その答えを聞いて初めて高志は不安を覚えた。

 


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