伊達だより 再会した2人が第二の故郷伊達に移住して 第二の人生を歩む

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ジャコシカ19

2018-03-30 13:16:33 | ジャコシカ・・・小説
 間違いなくこれは、またとない刺激に満ちた世界の始まりだ。

 東京に出てからは何かにつけて、動きも言葉も寒い国の重さと慎重さを感じていただけに、あや

は一層新しい環境に、心を踊らせた。


 店の開店のための商品展示や飾り付けが始まると、何にでも反応して、肯定的に捉えるようにな

っていた。

 「今は悩む時ではない。迷う時でもない。必要なことは行動することだ」

 あやは東京に出て初めて、身体に熱い力が湧いてくるのを感じた。
 





 入江は入口が狭く、中に入ると大きく膨らんだ壺のような型をしているため、船着場は外から

は見えない。

 なるほどここなら外海の荒波からも、船を守ることができる。

 船着場はコの字型のしっかりとしたコンクリート造りで、今乗ってきた船が二隻、コの字の中に

納まる。

 既に一隻が繋留されていたが、その舟にエンジンは付いていない。船着場から少し奥に下がった

所から、湾曲した砂浜が200メートルほど続き、そこから先は大岩がゴロゴロと折り重なって入

口の崖の門に繋がっている。

 砂浜には先ほど進入時に、入口の外から見えた磯舟が引き揚げられている。


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