ウクライナに対し敵対的親ロシア派がウクライナ、ウクライナ政府の中に大勢いたからだと思います。クリミア半島は、親ロシア派が非常に多く、戦争をおこすことなくロシアは半島どりに成功しました。
この事件で、ウクライナの反ロシア派は、ロシアの脅威を強く感じ、防衛力強化に入りました。NATOもロシアの脅威を再認識し、ロシア批判を強め、ウクライナ支援に回りました。
ウクライナ東・南部は、親ロシア派が多く、ロシアの支援を受けて武装蜂起し、独立運動を展開しました。ウクライナは軍事的鎮圧をはかりましたが、ロシア軍人か、武装民間ロシア人かよくわからない軍人が親ロシア派の独立運動を助けたので鎮圧はできませんでした。ミンスク合意(停戦合意)にウクライナが応じたのは、ウクライナの軍事力の弱さ、NATOのウクライナ支援の弱さが原因と思います。
ロシアは積極的にエネルギーをヨーロッパに輸出することで、ヨーロッパとの関係を改善していました。ロシアは、ヨーロッパは、ウクライナを支援するためにロシアのエネルギーをあきらめることはないだろうと考えたと思います。
ウクライナの軍事力が上がらない間に、首都キーウを急襲し、親ロシア派政権(独裁政権)をつくり、ウクライナが、東・南部のロシア編入を認めれば、戦争らしい戦争をやらないでウクライナのロシア化などの目的を達成できると思ったと思います。
現実は違っていました。ウクライナとアメリカは、ロシアの意図を読んでいました。ウクライナは、ロシアの陰謀を読み、危機感をもって防衛訓練を重ねてきました。
一方のロシアは、ウクライナに侵攻しないと公言していたし、侵攻すると公言できず、軍には通常の軍事訓練と言って訓練をやっていたのでキーウ攻略の訓練はできていませんでした。
ロシア軍のウクライナ東・南部侵攻は、軍は意欲的、計画的に侵攻したと思います。親ロシア派が協力したので侵攻は容易でした。
キーウに向かったロシア軍はウクライナ軍の待ち伏せを食った形になり、大敗しました。
キーウ攻略に失敗したロシアは軍事力で東・南部の保持に注力しています。先進国、NATOは厳しくロシアを批判し、ヨーロッパはロシアからのエネルギー輸入をやめ、ウクライナ支援を明確にしています。現状肯定の停戦を考えていません。
読みを完全に誤ったロシアは泥沼にはまりました。大損するだけのウクライナ戦争、保持している東・南部は荒廃、しかもロシアに正義なしということで、ロシア人の戦争意欲は萎える一方です。ロシアの人々は、プーチン大統領の責任ということにして戦争をやめるしか方策はないのではないでしょうか。
もしロシアがウクライナ戦争を続けるとロシアの衰亡は加速します。ロシアは未開とのレッテルを貼られ、ロシアの脅威が喧伝され、経済交流は嫌われ、世界で孤立するでしょう。国際会議に出席してもいつも批判され、冷笑され、ロシア代表は、世界に役立つ発言はできないでしょう。孤立がひどくなり、ますます嫌われる国になり、嫌われるようなことばかりする国になるでしょう。