250ウォンの愛
地方のある大型割引店であったことです。
週末であるところに退社時間と重なり割引店の中は混みあっていました。
レジの前の長い行列の後ろで小学生の孫の手を持って立っていたおばあさんが、前の人たちに聞きました。
「あの、、、アイスクリームがとけるんで、ちょっと順番を代わってくれませんか、、、」
気を大きくして孫にアイスクリームを買ってあげようとするおばあさんの頼みを断る人は誰もいませんでした。ですが問題はレジのところで起こりました。
「おばあさん3000ウォンです。」
「あれまあ、これはどうしたらいいもんだ。私は2750ウォンだと思っていたのに。」
手にしっかりと握っていたお金をもう一度数えてみたおばあさんは、困った声で言いました。
おばあさんは、垢のついた財布からしわくちゃになった1000ウォン札1枚と小銭を出して、2750ウォンだと思ったということを繰り返して言いました。
列を成していた客たちは何事かと気になって首を伸ばして見ていました。
「どうしたんだ。何事だ。」
そんな姿が恥ずかしいのか孫は首をうなだれていました。
その姿が気の毒で、私が250ウォン出そうとお金を取り出した時、レジの女性職員の声が聞こえました。
「おいしく食べてください。おばあさん。」
明るく笑った顔で彼女はおばあさんに隠れて自分のポケットから小銭を250ウォン出して不足した分を足してやりました。
感謝するおばあさんを見て、見ていたみんなの顔にも明るい笑顔の花が咲きました。