とある移動遊園地内にある“恐怖の館”的な見世物小屋に男女5人(男3人、女2人)が連れ立って入って行く。
中には、でっかいハサミと糸巻きを持ち、映画の中でリズが演じていたクレオパトラ(?)みたいな化粧を施した女が椅子に微動だにせず座っている。そのクレオパトラ風女は、実は未来を透視できる巫女(?)で、「特別料金を払えば、あなたの未来をお見せしましょう」と、巫女の隣で怪しげな案内人ドクター・ディアブロ(バージェス・メレディス)が言うのである。
男女5人は、せっかくだから、、、とかなんとか言って、その巫女に各々の未来を見せてもらうのだが、それはどれも悲惨なものばかり、、、。ついに5人目の男は、「未来なんか見たくない!!」と激しく拒絶し、ドクター・ディアブロと揉み合いになって、、、!!!
4話からなるオムニバスホラー、、、というより、オムニバスブラックファンタジー、ですかね。
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何年か前まで、レンタルできなかった本作。買うとなると、ウン万円の値がついていて、とてもじゃないけど手を出す気になれなかったものですが、いつからかレンタルできるようになったらしいです。……というわけで、お気軽に見られるようになって何よりです。
紹介文に書いたように、一応、オムニバスというか、、、映画としては一つのお話にはなっているのですけれどね。どの話も、割と唐突に始まって唐突に終わる、って感じですが、まあ面白いです。各話の見出しがネタバレになっちゃいますが、一話ずつ簡単に感想を。
◆第1話~叔父さんの遺産を横領するセコオヤジが猫に殺られるの巻~
叔父さんはお金持ちらしいのですが、彼の飼っている黒猫(というか、黒茶のまだら)が、結構マジで気味悪いんです。悪いことをすると、因果応報で、全部自分に還ってくるよ、みたいな説教めいてはいませんけれども、まあ、そういうことかと。
ラストのセコオヤジの報いを受けた姿が、、、まあ、ホラーっちゃホラーなんですが、かなり地味に笑えます、、、。ぐふふ。
◆第2話~ルームメイトを出し抜いてスターへの階段を上ろうとしたお姉ちゃんがサイボーグにされるの巻~
サイボーグと書きましたけれども、、、。今のハリウッドの俳優たちや、日本の俳優らにも、明らかに不自然な容貌になっている方々はいらっしゃいますよねぇ。ある意味、そういう近未来を予言していたオハナシ、かも(?)。
サイボーグとバレるシーンが、これまた地味に笑えます、、、。ぐふふ。
◆第3話~世界的イケメン(?)ピアニストと恋に落ちたお姉ちゃんがピアノに殺されるの巻~
ピアニストのピアノが、恋人の女性に嫉妬して殺しちゃう、っていうだけのオハナシ。これが一番つまんなかったかも。ピアニスト役の男優のルックスがイマイチ、かっこいいと思えなかったのが残念。
グランドピアノがお姉ちゃんに迫って行くシーンは、正直笑えません、、、。ごーん。
◆第4話~ある収集家の秘宝「不死のエドガー・アラン・ポー」に死なせてくれと頼まれたオッサンがポーに火を着けたら一緒に死んじゃうの巻~
この話が一番面白かったかも。2人のエドガー・アラン・ポー愛好家のオッサンが出てくるのですが、収集家の方をピーター・カッシングが演じています。この収集家が意味深に見せようとしない部屋の中を見たいばかりに、もう一人の愛好家(ジャック・パランス)は、収集家をなぐり殺して、鍵を取り上げ部屋を開ける。
そこには、墓から甦らされた(?)不死のエドガー・アラン・ポーが座って新作を書き続けさせられていた。不死ポーは「死にたい」と愛好家に言う。愛好家は願いを叶えるべく、不死ポーの座る椅子の後ろにあるカーテンみたいな布にろうそくの火を着ける。部屋の扉はいつの間にか閉まっていて、開かなくなっている。こうして愛好家のオッサンも火に包まれて、不死ポーと共にあの世行き。
ピーター・カッシングとジャック・パランスという個性派俳優競演で、見応えあり。でもまあ、ちょっと引いて見ればバカバカし過ぎて笑えます。ぐふふ。
◆エピローグ
見世物小屋に入った5人のうち、4人の未来は巫女が透視したわけで、残り1人のオッサンの未来は、本人が激しく拒絶したため見ることが出来ません。、、、いえ、このオッサンは、紹介文にも書いたとおり、強引に自分の未来を見せようとするドクター・ディアブロと揉み合いの挙句、巫女が持っていたでっかいハサミでドクター・ディアブロを刺し殺してしまうんです。これが、そのオッサンのまさに未来だった、、、。
なーーんちゃって。、、、実は……、ってのは、書くのはやめておきます。まあ、察しはつくと思いますが。ぐふふ。
◆その他モロモロ
この巫女の女性を演じる女優さん(名前分からず)の顔が結構特徴的で、各話にちょこっとずつカメオ出演していたりします。1話終わるごとに、でっかいハサミで糸巻の糸をチョキン!と切るのがご愛嬌です。
ピーター・カッシング=ホラー、みたいなイメージがありますが、本作ではどっちかというと、可愛そうなお爺さんでしたねぇ、、、。ジャック・パランスの粗野っぷりがちょっとキモ怖かったかも。コレクターの狂気みたいのをデフォルメしていて、挙句に、ゾンビ・アランポーが出てきて可笑しかった。
監督のフレディ・フランシスは、『エレファント・マン』『フランス軍中尉の女』『ケープ・フィアー』等の撮影を担当していた方らしい。監督としては、本作を始め、かなりカルトチックなものも手掛けていらっしゃるご様子。
ちなみに、脚本のロバート・ブロックは、『サイコ』の原作者だそうです。へぇー。
クリスマスに見たホラー
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