念願の裾合平のチングルマと対面したがまだ早かった。
今年は異常に雪が残っていた。
雨に会わないように一日早く下山して正解だった。
2010年7月16日-17日(1泊2日、避難小屋)(単独)
1.初日 黒岳から白雲の小屋まで
8:40-14:50
黒岳まではいつものように超スローな歩きだがいつもと違って意識したノロい歩きに徹した。
八合目あたりから花が出てきたが、やっぱり主役はチシマノキンバイソウだった。
いつもながら瑞々しい色とデカサだ。
頂上に着いたがガスでスッキリとした眺望でない。石室への道の途中にチシマツガザクラの
大群落があるのに驚く。写真では分かり辛いので載せないが、あたり一面に咲き誇っている。
これほどの規模のは今まで見たことも無いと驚いたが、あとでもっと驚く別の花の大群落というか
巨大群落に度肝を抜かれるとは知らず。
大雪の単一種の規模のデカサは本当にすごい。
赤石川の渡渉点に着いて愕然。雪渓で埋まっている。
今年の残雪は桁違いだ。
赤石川渡渉点
当然ながら北海沢の渡渉点も巨大な雪渓に埋め尽くされていて、雪の上の歩きがベンチ直下まで続いた。
北海沢の雪渓
白鳥雪渓(右端)
北海岳への道でクモマユキノシタとチシマクモマグサを見つけた。
エゾノツガザクラのちょっとした群落もあった。
途中の遭難碑へ寄ったら細い道が続いており辿ってみると雪渓に出た。
良く見ると白雲の道近くまであり、そのまま雪の上をショートカットしてしまった。
登山道へ戻って歩き出して右側を見てみるとなんとクモマユキノシタだらけではないか。
翌日の歩きで確認したら何と白雲岳直下から北海岳手前まで埋め尽くしていたのだ。
こんな規模の単一種の花畑は見た事が無い。花自体が超地味なので目立たないのだが裾合平の
チングルマも真っ青の超弩級の規模だ。
それとベンチの先のいつもならエゾコザクラとチングルマの群落が楽しませてくれる道が
雪渓で埋め尽くされていたのにビックリ。
あの厚さではおそらく8月初旬まで融けないのではないか。
遅くまで花が楽しめるという事だが、ちょっぴり残念だった。
白雲直下の雪渓遠景
白雲直下の雪渓を行く
白雲の小屋とテント場
小屋の水場
白雲の小屋廻りも雪だらけで水場もいつもと違って雪を掘っていた。
テント場も半分は埋まっていて25張り位で満杯状態だった。
小屋は40名程度の客でゆっくりと寝られた。ここで去年の秋に緑岳下部で一緒になった鹿児島の女性
2人の友人という単独の女性がいてビックリ。世間は狭いとは良く言ったものだ。
前夜はユースで九重で会ったあのO氏とも再会していたし、出会いはなかなか面白い。
2人とも翌日ヒサゴ沼まで歩く予定だが明後日が雨模様なのがちと辛い。
連泊のつもりだったが明日の客の多さと天気を勘案して、明日下山する事にしたがいい判断だった。
トムラウシまで歩くパーティーがやたら多いが、去年の出来事など全く関係ない人気ぶりだ。
今日は朝食の後は歩きながら時々ブドウ糖をしゃぶったくらいで何も食べずに歩き通した。
燃費の悪い俺としては画期的な歩きだったのだが、要因は朝のノンビリ歩きなのだろうか。
明日もノンビリ歩きに徹してみよう。
ウォークマンを楽しんで11時位には寝たようだ。
2.下山日 裾合平を経由して旭岳温泉へ
5:40-7:45北海岳8:25-9:50中岳分岐-10:20中岳温泉10:35
-11:15裾合平分岐-13:00姿見駅
白雲分岐への道から見た板垣新道を歩く2人のコースどりがおかしいのに気づく。左に寄り過ぎていたのだ。
見えなくなるまでの10分位の間ウロチョロしていたが、結局コースを見つけられなかった。
一度戻ればすぐにコースに戻れただろうに、まあ道迷いとはこんなものなんだろう。
分岐で話した神戸からの夫婦パーティーによると、緑岳はエゾツツジの大群落だそうだ。
雪渓のトラバースを終えて、あのクモマユキノシタが埋め尽くす原を北海岳を目指す。
ノンビリ歩くが休む事が無いので所要時間は遅くないから面白い。
北海にほぼコースタイム通りに到着した。
婦人がサポートする老夫婦の話に仰天。奥さんは結構歩いているが夫の方は全くの初心者。
それなのに三川台へ上がる裏ルートでトムラウシを目指し、雨の中南沼でエマージェンシーシートで
ビバーグしたというのだから呆れてしまったのだ。
奥さんそりゃ運が良かっただけじゃないかと出かかったが止めた。
ひょっとするととんでもないツワモノなんじゃないかと思ってしまったのだ。
なにせ初心者のオヤジをしっかり守って歩き通しているんだからたいしたもんじゃないか。
仲良く元気で歩いてください。
しかしイワブクロも良くはびこっている花だなあ。どこにでもあるぜ。
中岳分岐への降りは石だらけの歩き辛い道で閉口した。
中岳温泉は道の横でなかなか入り辛いし、歩きの途中では後の歩きが大変。
足湯で我慢して、チングルマとの対面へ急ぐ。
やっとそれらしい場所にでたが、何と全く咲いていないではないか。
2週間ほど早かったみたいだ。
そこそこの群落が二つあったが期待した規模には程遠い。
まあしかしその規模は想像できたし、わざわざ訪ねた甲斐はあった。
もう一度再訪する必要もなかろう。
あとは何の楽しみも無い笹原を歩いて姿見駅に着いた。
皮肉にも姿見の池直前に終りかけだが結構なチングルマの群落があった。
翌日連絡がとれたO氏によると小化雲のチングルマは終わっていた由。
おまけにひどい雨と風でさんざんの下山だったらしい。
天気の良い日だけ歩き、あのクモマユキノシタとチシマツガザクラの
大群落に会えたのだから大満足の山行だった。
中岳分岐への道
中岳温泉遠景
目立った花の写真
チシマノキンバイソウ
大きさはこれほどもある
チシマクモマグサ
チシマツガザクラ
瑞々しいチングルマ
キバナシオガマとクモマユキノシタ
チングルマと遠方にエゾコザクラ
裾合平のチングルマ