呑んベエSTING

ロック、やきとん、丼、ERをこよなく愛するオヤジのたわ言

ボックス!

2010-07-08 23:57:39 | 呑んだり喰ったり語ったり
かみさんに薦められて読んだ小説。

いわゆる「スポコン」もの。

高校のボクシング部の話し。

喧嘩が強くって、運動能力が高くて、天才肌の奴と
勉強はできるけど運動はからっきしダメで勇気の無かった努力型の奴、
二人は幼馴染で親友だ。

ボクシングをやっていた天才肌の奴が「ウンチ」だった奴をボクシングに誘う。

そして、天才が挫折し、努力型が開花する。

というありがちな話しながら、
天才はなぜ天才か、努力型はどれだけ努力するかという過程と、
これでもかというボクシングの練習と試合の描写が説得力を持たせ、
ありがちな話しを納得させてしまう。

思いもしない展開に、
かなり入れ込んでしまい、
クライマックスでは電車の中にもかかわらず、
迂闊にも号泣してしまった。

なんで、
それほどメリットも無いのにトコトン戦って、
痛い思いしてボクシングやるんだろうね。

ボクシングが古代ローマ時代のオリンピックで最も名誉のある競技だったこと。

「サイエンス」という言葉がボクシングの技術を表現する言葉が語源だったということ。

つまり、
「野蛮だ」と言われているボクシングほど
高度な理論とそれを実践する技術で成り立っているスポーツは無いということだ。

いや~奥深い。

そして、技術や精神力を練習を通じて高めていくことと、
メンタリティの面がいかに本番で影響力があるか、
(例えば、一度負けた相手からは「恐怖心」が植え付けられるため生物学的にはそれを払拭できないこと)
すごく感じさせられた。
(しかし、動物の中でその「恐怖心」を唯一払拭できるのは人間なんだそうだ)

戦うトーサンには、是非オススメしたい本です。

あ~
映画化もされてましたね。

今度、DVDも見てみよう。