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気候変動対策に否定的なトランプ次期米大統領の勝利を受けて、早速、洋上風力事業への逆風が強まっています。

 

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トランプ氏はかねてより、科学的根拠が乏しい気候変動対策に「否定的な立場」をとってきました。次期政権のエネルギー長官にも、石油・天然ガスの積極的な推進派であり、石油掘削会社の最高経営責任者(CEO)でもあるクリス・ライト氏を起用すると発表しています。

 

特に洋上風力発電事業について、トランプ氏は大統領として二期目を迎える「初日」に、洋上風力発電プロジェクトを「終わらせる」と宣言。「大統領令で(中止を)明文化するつもりだ」「洋上風力発電はすべてを破壊し、恐ろしく、最も高価なエネルギーだ」などと選挙集会で訴えていました。

 

トランプ氏の当選を受けて、世界第2位の洋上風力発電開発企業であるドイツのエネルギー大手RWEは、洋上風力プロジェクトの遅延や計画中止の可能性を警告。再生可能エネルギー事業の投資を2025年から3割縮小することも表明しました。

 

さらにフランスのエネルギー大手トタルエナジーズは、トランプ氏の勝利を受けて、米ニューヨーク州とニュージャージー州の海岸近くに洋上風力発電所を建設する計画を「一時停止する」と発表。同社は22年、7億9500万ドル(約1200億円)の契約で開発権を勝ち取り、28年までに生産を開始する予定でしたが、プロジェクトを一時停止してトランプ氏が任期を終える4年後に再検討するとしています。