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生徒のために、あらゆる努力を惜しまない熱血教師を描いたメキシコ映画「型破りな教室」【高間智生氏寄稿】 2025.01.05

2025年01月06日 05時41分21秒 | 日記

生徒のために、あらゆる努力を惜しまない熱血教師を描いたメキシコ映画「型破りな教室」【高間智生氏寄稿】

<picture>生徒のために、あらゆる努力を惜しまない熱血教師を描いたメキシコ映画「型破りな教室」【高間智生氏寄稿】</picture>

 

 

全国公開中

 

 

《本記事のポイント》

  • 生徒たちを信じ、可能性を引き出す
  • 生徒の"将来の成功"を願い続ける
  • 自らの可能性に気づき、夢を抱くことの大切さ

 

 

犯罪と貧困が日常化したメキシコ・マタモロスの小学校に赴任した教師が、型破りな授業で子供たちを全国トップの成績に導いた実話を映画化。

 

アメリカとの国境近くにあるマタモロスの小学校。子供たちは麻薬や殺人といった犯罪と隣り合わせの環境で育ち、教育設備は不足し、教員は意欲のない者ばかりで、学力は国内最底辺だった。

 

6年生の半数以上が卒業を危ぶまれるなか、出産のため辞職した6年生の担任の代役として、マタモロス出身の教師フアレスが赴任してくる。子供たちはフアレスのユニークで型破りな授業を通して探究する喜びを知り、それぞれの興味や才能を開花させていく。

 

『コーダ あいのうた』の音楽教師役で注目を集めたエウヘニオ・デルベスが教師フアレスを熱演。2023年サンダンス映画祭にてフェスティバル・フェイバリット賞(映画祭観客賞)を受賞した。

 

 

生徒を信じ、可能性を引き出す

この映画の主人公である教師フアレスが心がけているのは、生徒の好奇心を刺激し、自分の頭で考えさせることを通じて、子供たち一人一人が宿している可能性を引き出すことである。

 

そのためにフアレスは、他の教師が進める学力テストの準備を無視し、カリキュラムから逸脱して、子供の知的好奇心に寄り添いながら、さまざまな実験や議論を重ねていく。

 

それが原因で、他の教師の密告に遭い、2週間の停職になってしまうのだが、そこまで突き進むフアレスの信念は見上げたものだ。

 

大川隆法・幸福の科学総裁は著書『勇気の法』の中で、子供の中に何らを残そうと願って、真摯に向き合う教師は、それだけで成功者であるとして次のように語っている。

 

子供たちの一人ひとりが、『いかにして長所を伸ばし、短所を抑えながら、すくすくと大人になっていけるか』ということに心を砕き、生徒を導いた教師は、やはり、成功者と言えるのです。

 

教師のなかには、『とにかく、その日一日を過ごせばよい』と考え、その日の授業時間を潰している人もいますが、そういう駄目教師が幸福になることは、おそらくないでしょう。英語では『時間を潰す』と言うときに、『kill time』という、きつい言葉を使いますが、まさしく、時間を"殺して"いるのです。

 

『自分のクラスにはいろいろな生徒がいるが、このクラスに巡り合えたのは、一生に一度の機会である。一期一会である』と捉え、『それぞれの人に何らかのものを残そう』と思って生きている教師が、やはり、成功者であろうと思います

 

劇中でフアレスは、自らの車を売り払って教材を調達するなどして、向上心という、人間が持つ輝きを生徒たちの中から磨き出していったが、その情熱と行動力には、改めて驚かされる。

 

 

生徒の"将来の成功"を願い続ける

映画は、一人一人の生徒が背負う、どうしようもなく過酷な"重荷"の描写を通じて、メキシコ社会が抱える複雑な現実を巧みに映し出している。

 

悲惨な生活のなかにあって、フアレスは、その中にある素朴な疑問を次々と生徒たちに問いかけることで、日常を超えた、純粋な"学問の世界"、"真理の世界"を垣間見せようと奮闘する。そして生徒もまた、フアレスとの出会いを通じて、学びや人生に前向きな人間へと変化し始める。

 

フアレスが、子供たちの心の中に芽生えた"将来の可能性"への希望を後押ししながら、生徒たちがぶつかる"現実の壁"を乗り越えようと、共にもがき苦しんでいくところは、この映画の見所にもなっている。

 

優れた教師の条件について、大川隆法総裁は著書『教育の使命』の中で、次のように指摘している。

 

先生というものは、自分が追い抜かれていくことに喜びを感じるような不思議な種族でなくてはなりません。教え子たちに追い抜かれていくことに喜びを感じなければいけないところがあると思うのです。

 

それは微妙に生徒に伝わります。そして、『先生は、〈自分のほうが偉くなくてはいけないのだ〉と考えているのではなく、〈自分を超えていけ〉と考えてくれている』と思うことが、何とも言えない信頼感になるのです。

 

教師は、どうか縁の下の力持ちになってください。これも一種の菩薩行なのです。人様を頭の上に乗せ、大井川を渡しているようなものであり、これは菩薩行です。教師というものは、縁の下の力持ちであり、人が偉くなって出世していくのを喜ばなくてはいけない職業なのです

 

実際にフアレスのクラスは全国最底辺だったが、子供たちが探求する喜びを知ることで、成績は飛躍的に上昇。そのうち10人はメキシコで全国上位0.1%のトップクラスに食い込んだのだという。

 

 

自らの可能性に気づき、夢を抱くことの大切さ

この映画の印象深い点の一つは、メキシコ社会の底辺で生きていた子供たちが、フアレスとの出会いを通じて、考えもしなかった自らの可能性に目覚め、夢を抱き、未来に向かって前向きに生きることの喜びを感じ始めていくところだ。

 

特に、廃品回収を手伝っている少女が、自らの数学や物理の類稀な才能に気づき、宇宙飛行士を目指すという、今まで考えたこともない夢を抱いていく姿は、感動的でさえある。

 

大川隆法総裁は著書『Think Big!』の中で、夢を抱くことの大切さについて、次のように指摘している。

 

まず、大きな夢を持ってください。そして、夢を持ったなら、次に、その夢を実現しようと努力してください。これが大事です。夢を持たなければいけませんが、夢を持っただけでは駄目なのです。夢を持ち、さらに、その夢を実現しようと努力することが大事です。

 

これは、一見、当たり前のことのようですが、実は、当たり前のことではありません。そういう努力ができるだけでも、すでに未来の開拓が始まってきつつあるのです

 

犯罪が日常茶飯事の荒廃したメキシコ社会の中にあって、教育の力に懸ける情熱溢れた教師。そして、自らの可能性に気づき、夢を抱いて前向きに生きることに目覚めた生徒たち。彼らの熱い交流を描いたこの映画は、"貧困からの脱出"を成し遂げるために必要な、自ら学び努力することの大切さについて、改めて気づかせてくれる。

 

 

『型破りな教室』

【公開日】
全国公開中
【スタッフ】
監督:クリストファー・ザラ
【キャスト】
出演:エウヘニオ・デルベスほか
【配給等】
配給:アットエンタテインメント
【その他】
2023年製作 | 125分 | メキシコ

公式サイト https://katayaburiclass.com/

 

【関連書籍】

いずれも 大川隆法著 幸福の科学出版

 

 

【高間智生氏寄稿】映画レビュー

過去記事一覧はこちら


元国家主席の息子による「習近平亡国論」の上申書が波紋を呼ぶ【澁谷司──中国包囲網の現在地】 2025.01.04

2025年01月05日 05時39分01秒 | 日記

元国家主席の息子による「習近平亡国論」の上申書が波紋を呼ぶ【澁谷司──中国包囲網の現在地】

<picture>元国家主席の息子による「習近平亡国論」の上申書が波紋を呼ぶ【澁谷司──中国包囲網の現在地】</picture>

 

 

澁谷 司

 

アジア太平洋交流学会会長・目白大学大学院講師

澁谷 司

(しぶや・つかさ)1953年、東京生まれ。東京外国語大学中国語学科卒。東京外国語大学大学院「地域研究」研究科修了。関東学院大学、亜細亜大学、青山学院大学、東京外国語大学などで非常勤講師を歴任。2004年夏~05年夏にかけて台湾の明道管理学院(現・明道大学)で教鞭をとる。11年4月~14年3月まで拓殖大学海外事情研究所附属華僑研究センター長。20年3月まで、拓殖大学海外事情研究所教授。著書に『人が死滅する中国汚染大陸 超複合汚染の恐怖』(経済界)、『2017年から始まる! 「砂上の中華帝国」大崩壊』(電波社)など。

 

最近、北京では退役将軍の劉源(元国家主席、劉少奇の息子)が、党中央委員会に上申書を提出したというホットな噂が流れている(*1)。

 

豪州在住の著名な法学者・袁紅冰は、中国共産党体制内の有識者から得た情報に基づき、劉源の上申書の主な内容を明らかにした。

(*1)2024年12月10日付『中国瞭望』

 

 

「党と国が亡びる危険さえある」

奇妙にも、この上申書のタイトルは、かつて中国共産党の最高指導者、瞿秋白が1935年、国民党に処刑される直前に書いた有名な文章「余計な言葉」を模倣している。

 

劉源は、習近平主席の多くの統治上の"過ち"によって、中国の社会的危機は爆発寸前であり、「党が滅び、国が滅びる危険さえある」と指摘している。

 

おそらく劉源の上申書は、共産党と国家の滅亡の危機に悲痛な叫びをあげている多くの「太子党」(「紅二代」)の声を代弁しているのではないだろうか。


中国が沖縄・宮古海峡の封鎖演習を実施 遠くのパナマ運河も同時に封鎖すれば、米軍来援も遅滞させられる 2025.01.03

2025年01月05日 05時37分05秒 | 日記

中国が沖縄・宮古海峡の封鎖演習を実施 遠くのパナマ運河も同時に封鎖すれば、米軍来援も遅滞させられる

<picture>中国が沖縄・宮古海峡の封鎖演習を実施 遠くのパナマ運河も同時に封鎖すれば、米軍来援も遅滞させられる</picture>

 
宮古島。

《ニュース》

中国の艦艇が昨年12月、台湾有事で懸念されている沖縄県・宮古海峡を海上封鎖するかのような行動をとっていたことが分かりました。読売新聞が元旦の記事で報じました。

 

《詳細》

読売が取材した日本政府関係者によると、中国海軍のフリゲート艦や、海警局の76ミリ砲を搭載した大型巡視船など計6隻が、12月22日に宮古海峡を通過しました。海軍のフリゲート艦はこれに先立ち、台湾と先島諸島(宮古諸島及び八重山諸島)を取り囲むように航行していました。

 

海軍と海警局の共同航行は、2023年夏ごろに与那国島周辺で確認されており、当時は「海上封鎖の一環である」と日本政府は分析していました。しかし今回は、さらに沖縄本島に近い宮古海峡で同様の動きをとり、「海上封鎖のエリア」を拡大させている可能性が浮上しました。

 

また読売によると、中国側が「分離主義者」と見なす台湾の頼清徳政権が発足して以降、76ミリ砲などを「重武装」した中国巡視船の活動が際立つようになっており、台湾への圧力を強化していると見られているといいます。

 

一方、台湾有事が近づく中、沖縄では、沖縄タイムスが今回の記事が掲載された同じ日に、「忍び寄る『戦争前夜』 取り沙汰される台湾有事 沖縄離島住民の島外避難 沖縄戦の疎開と酷似」と題した記事を掲載。日本政府が南西諸島防衛を強化することについて"不安"を煽るかのような内容を載せ、対中脅威論を広げる読売の論調とは全く異なるものでした。

 

《どう見るか》


5人に1人が後期高齢者になる「2025年問題」が話題 「生涯現役人生」や「家族の助け合い」が必要になる時代へ 2025.01.03

2025年01月05日 05時35分42秒 | 日記

5人に1人が後期高齢者になる「2025年問題」が話題 「生涯現役人生」や「家族の助け合い」が必要になる時代へ

<picture>5人に1人が後期高齢者になる「2025年問題」が話題 「生涯現役人生」や「家族の助け合い」が必要になる時代へ</picture>

 

《ニュース》

2025年は、「団塊の世代」が全員75歳以上になり、国民の約5人に1人が後期高齢者となることが問題視されています。

 

《詳細》

団塊の世代は、1947~49年の「第一次ベビーブーム」に生まれた人たちのことで、3年間の出生数は約800万人に上ります。その団塊の世代が今年、後期高齢者に分類される75歳以上になり、「2025年問題」としてかねてより懸念されてきました。

 

国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、後期高齢者は今年で2154万人と人口の約5人に1人の割合になる見通しだといいます。65歳以上の割合は3人に1人となる見込みです。一方、少子化が加速しており、24年の出生数は初の70万人を割ったと見られます。

 

戦後1950年時点では、高齢者1人に対し現役世代は約12人でしたが、年を下るごとに減少し、25年には高齢者1人に対する現役世代の人数は1.9人になると予測されています。

 

《どう見るか》


番外編「働かないことを奨励する社会はどこかおかしい」 (1) 運送業の働き方改革で「荷主」「運送会社」「ドライバー」にかかる負担 2025.01.02

2025年01月05日 05時33分44秒 | 日記

番外編「働かないことを奨励する社会はどこかおかしい」 (1) 運送業の働き方改革で「荷主」「運送会社」「ドライバー」にかかる負担

<picture>番外編「働かないことを奨励する社会はどこかおかしい」 (1) 運送業の働き方改革で「荷主」「運送会社」「ドライバー」にかかる負担</picture>

 

2024年には、いわゆる「働き方改革関連法」によって、4月から建設業や運送業などにも、時間外労働に原則年間360時間の上限が設けられました。

 

2024年12月号記事「働かないことを奨励する社会はどこかおかしい」では、この規制が労働力への依存度が高い「労働集約型産業」である建設業や運輸業、そして関連する業種に大きなダメージをもたらしていることを取り上げています。

 

それでは、「働き方改革」の現場にいる人々は何を感じているのか。その実情を伺うと、国が進めている政策と、働いている人々の意識との間にある大きなギャップが見えてきました。

 

番外編の第一回目は、「運送業の働き方改革で『荷主』『運送会社』『ドライバー』にかかる負担」について。

 

◆ ◆ ◆

 

「2024年問題」は、労働力への依存度が高い「労働集約型産業」である建設業や運輸業、そして関連する業種に大きな影響をもたらしています。帝国データバンクの調査では、2024年上半期に「人手不足」が原因で倒産した事業者のうち、45.4%が「建設・物流」の2業種で占められており、そのうち従業員10人未満の企業が8割となりました。

 

また、「働き方改革」に伴う労働時間の制限により、2030年には19年比で34%分の荷物が運べなくなることが危惧されています。これは、個々の会社にとっても請け負える荷物が激減することとなり、収入も減少するため、死活問題です。

 

そうした中、従来と同じ量の荷物を運ぶために、トラックを大型化して、一度に運べる量を増やす取り組みも進んでいます。大型・中型免許の受験資格は従来、21歳以上で普通免許を3年以上保有している必要がありましたが、22年以降は「19歳以上で普通免許を1年以上保有」へと引き下げられ、緩和されました。

 

こうした動きの中で、日経新聞は2024年10月31日付の1面で「トラック輸送力は落ちていない」と報道。特に大型の「特大車」が6%増え、複数の荷主の荷物を一台のトラックで運ぶ「共同輸送」が進んでいること、また、一台の車に2つの荷台をつないだ「ダブル連結トラック」による中継輸送が進んでいる、としました。

 

ところが、全日本トラック協会は当日、この記事について「簡単な話ではない」と反論。一部の取り組みを取り上げて、問題が生じていないかのような印象を与える記事は、「誠に遺憾」だとしています。

 

それでは、何が「簡単な話ではない」のでしょうか。


「柏崎刈羽原発再稼働の是非問う県民投票」実施に向け、署名10万筆超 しかし石破首相よ、これはあなたの仕事だ! 2025.01.01

2025年01月05日 05時31分21秒 | 日記

「柏崎刈羽原発再稼働の是非問う県民投票」実施に向け、署名10万筆超 しかし石破首相よ、これはあなたの仕事だ!

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《ニュース》

新潟県の柏崎刈羽原発をめぐり、地元住民団体が行っていた再稼働の是非を問う県民投票条例の制定に向けた署名活動で、10万筆以上集まったことが報じられています。

 

《詳細》

住民団体「柏崎刈羽原発再稼働の是非を県民投票で決める会」は、その名の通り、「柏崎刈羽原発の再稼働の是非を問う」県民投票を実現するために、2024年10月から県に直接請求する署名活動を実施し、同年12月28日に終了しました。

 

県民投票の実施には県議会における条例の制定が必要で、その制定を直接請求するには県内有権者の50分の1を越える署名が必要となります。同住民団体によると、県内全体で10万筆以上が集まり、直接請求に必要な約3万6000筆を大きく上回ったといいます。

 

12月から署名が急増したといい、政府が発表した「エネルギー基本計画」の原案に「原発の最大限活用」が盛り込まれたことがその背景にあると見られています。

 

同団体は25年1月に各市町村の選挙管理委員会へ署名を提出し、有効な署名数などを確認した上で、同年3月に県に条例制定を直接請求する方針です。

 

柏崎刈羽原発は全7基のうち6、7号機についてはすでに原子力規制員会から「合格」と判断されているものの、県の合意が取れていないことなどから、再稼働が進んでいない状況です。

 

地元住民の"民意"を知る上で住民投票は確かに有効です。しかし、国の安全保障にもかかわる原発再稼働は本来、国策として行うべきであり、県民投票に是非を委ねる方向に進んでいる現在の流れには、歯止めをかける必要があります。

 

《どう見るか》


人物伝 イチロー アナザーストーリー(後編) 「その努力をやめてしまったら、自分は"ただの人"になってしまう」 それを知っていることが非凡なのだ 2024.12.31

2025年01月01日 05時24分50秒 | 日記

人物伝 イチロー アナザーストーリー(後編) 「その努力をやめてしまったら、自分は"ただの人"になってしまう」 それを知っていることが非凡なのだ

<picture>人物伝 イチロー アナザーストーリー(後編) 「その努力をやめてしまったら、自分は"ただの人"になってしまう」 それを知っていることが非凡なのだ</picture>

 
画像: John Kershner / Shutterstock.com

メジャー4年目の2004年、イチローにとって苦しいシーズンとなった。

 

(本欄は、全2回のうちの後編。前編は「人物伝 イチロー アナザーストーリー(前編)

「ボールの縫い目が見える」ゆえの驚くべきスランプの原因 そして、その乗り越え方」)

 

4月、マリナーズの成績は8勝15敗で、イチローの打率も.255と低迷。マスコミからは、チームの不振の戦犯はイチローとされ、叩かれた。

 

だが、5月に入ると、イチローは本来の自分を取り戻し、21日に日米通算2000安打を達成。21日間の月間打率は.427で、20試合連続出塁も記録。この月には、月間50安打というピート・ローズに次ぐ記録をも打ち立てた。しかし、チームは11勝16敗。低迷の原因は、主力選手の高齢化、投手陣の弱体化、新しい選手が期待外れだったことなどが様々に挙げられるようになった。

 

自分の力ではどうすることもできない部分が大きかったが、当時のイチローはこう語っている。

 

「チームの調子が悪いときは……」「なおさら活躍しようという意欲を持たなければならない。それが僕の目指しているところです」(ボブ・シャーウィン著『ICHIRO 2 ジョージ・シスラーを越えて』)

 

 

「やっぱり、一流と、二流や一・五流を分けるところの差は、そこじゃないかな」

この年、低迷するチームに幻滅していたマリナーズファンは、イチローの活躍だけを楽しみにしていた。

 

大川隆法・幸福の科学総裁による霊言で、イチローの守護霊は、ファンへの思いを次のように話している。

 

やっぱり、責任感って言うか、『観客を喜ばしたい気持ち』みたいなものが結びついているところがあるね。

 

自分の技に集中はしているんだけれども、同時に、『チームを勝たせたい』という責任感があるし、『ここ一番』のところでチームを勝たせることで、観客を喜ばせることができて、お金を払って来てくださった方々が、『今日の試合はよかった』と言って帰ってくれるのが、プロとしての喜びなんだよ。『あの一番でイチローが打てなかったのは残念だよな』と、みんなに言われたら、思い返しても悔しくて悔しくてしかたがないのでね。

 

やっぱり、一流と、二流や一・五流を分けるところの差は、そこじゃないかな」(『天才打者イチロー4000本ヒットの秘密』)

 

2004年、チームが63勝99敗で地区最下位と低迷する中、イチローは歴代シーズン最多安打262、最高打率.372を記録した。

 

 

「自分に厳しくしなかったら"腐敗"しますよ。堕落しますよ」

当時、シアトルタイムズのコラムニストは、2004年8月にこう書いた。

 

「チームが最下位に甘んじているシーズンの残骸に埋もれながら、イチローはひそやかに、歴史に向かって驚くべき前進を続けている。今シーズンの残り48試合をこのままのペースで打ち続ければ、ジョージ・シスラーの年間最多安打記録257に届くのだ」(『ICHIRO 2 ジョージ・シスラーを越えて』)

 

84年ぶりに、ジョージ・シスラーが打ち立てた年間最多安打の壁を突破できるか否か、というファンの期待が、重いプレッシャーとしてのしかかってくる。

 

10月1日、シスラーの記録を突破し、シーズンが終わった時点で262安打を達成。イチローは当時、このように語っている。


人物伝 イチロー アナザーストーリー(前編) 「ボールの縫い目が見える」ゆえの驚くべきスランプの原因 そして、その乗り越え方 2024.12.30

2024年12月31日 05時35分12秒 | 日記

人物伝 イチロー アナザーストーリー(前編) 「ボールの縫い目が見える」ゆえの驚くべきスランプの原因 そして、その乗り越え方

<picture>人物伝 イチロー アナザーストーリー(前編) 「ボールの縫い目が見える」ゆえの驚くべきスランプの原因 そして、その乗り越え方</picture>

 
画像:Eric Broder Van Dyke / Shutterstock.com

2024年は、野球ファンのみならず日本中が、ドジャース入りした大谷翔平選手(以下、敬称略)の活躍にくぎ付けになった。

 

大谷以前にも、多くの日本のプロ野球選手が海を渡った。中でも、並み居るメジャーリーガーを圧倒し、観客を沸かせたのは、やはり、日本人野手初のメジャーリーガーとなった「イチロー」だろう。

 

現在、シアトル・マリナーズの会長付特別補佐兼インストラクターを務めるイチローだが、2025年1月に発表される、日本のプロ野球とアメリカのメジャーリーグの両方で、「野球殿堂入り」の有力候補者として名前が挙がっている。

 

2024年12月号の本誌記事「大谷翔平とイチロー 日本発の『天才』の比較」では、「高い理想像」や「チームに全力貢献」など7つの視点から、2人の「天才」の共通点に迫った。

 

今回は、殿堂入りに期待が集まるイチローの、現役時代の驚くべきスランプの原因やバッティングの奥義などについて、大川隆法・幸福の科学総裁による「イチロー守護霊霊言」(2016年9月号本誌記事「イチローの過去世 新・過去世物語 人は生まれ変わる」で詳述)の抜粋などと共に紹介する。(全2回のうち、今回は前編)

 

 

3年連続200本安打、打率3割超えでも、「平均的な1番打者」と批判を浴びる

シアトル・マリナーズに入団したイチローは、1年目の2001年、新人王、首位打者(打率.350)、盗塁王(56盗塁)を獲得。

 

その後の2年間も、シーズン200安打と打率3割を保ち続ける活躍を見せ、デビュー後、3年連続200安打を達成した3人目の選手に数えられ、3年間の通算安打数662は史上2位という記録を残した。

 

しかしそんな中でも、スター選手の性(さが)で、常に高いレベルの結果を求められる。

 

打率は.350→.321→.312、盗塁数も56→31→34と下降気味。特に、2年目、3年目は、マリナーズがチームとして勢いを失った9月におけるイチローの打率は.248と.273と明らかに悪かった。スランプに陥り、チームを牽引できていなかったのだ。

 

2004年、4年目を迎えたイチローに対し、口さがない地元ラジオの司会者は、高い年俸をもらっていることについて、こう批判した。

 

「シアトルが恋したイチローはもういないのかもしれない」「マリナーズは守備のうまい平均的な1番打者ととんでもない契約を結んでしまった」(ボブ・シャーウィン著『ICHIRO 2 ジョージ・シスラーを越えて』)

 

だが、イチローの"スランプ"は、並みの選手のスランプとは別次元のものであった。


子供たちに、善悪を分ける智慧の大切さを伝える映画『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』【高間智生氏寄稿】 2024.12.29

2024年12月30日 05時20分47秒 | 日記

子供たちに、善悪を分ける智慧の大切さを伝える映画『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』【高間智生氏寄稿】

<picture>子供たちに、善悪を分ける智慧の大切さを伝える映画『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』【高間智生氏寄稿】</picture>

 

 

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《本記事のポイント》

  • 欲望にブレーキをかけることの大切さ
  • 透明な心こそ、望むべきもの
  • 主人公・紅子に見る、菩薩の救いと導き

 

 

日本のみならず、アジア各地や中国、ロシアなどでも大人気となっている児童小説『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』シリーズを天海祐希の主演で実写映画化。

 

堂々として何事にも動じない、不思議な駄菓子屋の女主人・紅子が、人々の願いを叶え、欲望につけ込む悪しき存在と対決する姿が描かれている。

 

新米教師の等々力小太郎は、赴任した小学校の子供たちから不思議な駄菓子屋「銭天堂」の噂を聞く。怪しげな店主・紅子が選んでくれる駄菓子を食べれば願いがかなうが、食べ方や使い方を間違えると大変なことになるのだという。

 

やがて、銭天堂の駄菓子を買ったと思われる人たちの様子がおかしくなり、小太郎が密かに思いを寄せる雑誌編集者・相田陽子も暴走してしまう。

 

そんな中、小太郎はもう一軒の駄菓子屋「たたりめ堂」の存在に気づく。その店では店主のよどみが人々の悪意を集めてつくった駄菓子を売っていた。小太郎は大切な人たちを守るべく、紅子とともによどみを追うが……。

 

 

欲望にブレーキをかけることの大切さ

本作の魅力は、駄菓子屋の女主人紅子が提供する不思議な駄菓子を通じて、現代の子供たちに心の善悪を教え、欲望にブレーキをかけられないことが転落への道であることを教えている点だろう。

 

映画では、小太郎が密かに思いを寄せるファッション雑誌編集者・相田陽子が、SNSで見栄えがするような流行ファッションを追い求めるうちに、物欲が止まらなくなり、高級品を買い漁って暴走していく姿がリアルに描かれていた。

 

そして、人々の欲望を煽って破滅に追い込む悪しき存在も登場する。小学生に人気のある児童小説で、こうした欲望の過ちを教えることは、とても貴重だ。

 

大川隆法・幸福の科学総裁は、著書『繁栄の法則』の中で願望実現の注意点を次のように指摘している。

 

経済的繁栄、事業の成功、素晴らしい結婚、こうしたことを願うのは、まことによいことです。その結果、物質に翻弄されることのないように留意して、あくまでも、みずからの霊性が豊かになる方向で、希望の実現をなしとげていってほしいと思います

 

人間の本質は霊魂であり、あの世の世界から、魂の修行のために、この世に生まれ変わるという"転生輪廻"を何千回、何万回以上も繰り返している。

 

肉体に宿ることで欲望に翻弄されながらも、"自らの霊性にとって何が正しいか"を選択していけるかどうかが、一人ひとりの未来を形づくっている。そうした人生の真実を噛み砕いて描いているところに、この映画の特徴があると言えるだろう。

 

 

透明な心こそ、望むべきもの

今回の映画化では、原作に登場する「虹色水あめ」のエピソードが中心に据えられている。

 

脚本を担当した吉田玲子氏はその理由について、「原作を読んだときから特に印象に残っていたお話だったんです。ふたりの女の子が違う駄菓子を買い、『自分の心を綺麗にしたい』と願った子がふたりの関係を変えていく。それは、銭天堂の駄菓子のあり方を端的に表していると感じましたし、読後感も爽やかだったので、ぜひ映画でも取り上げたいと思いました」(パンフレットより)と語っている。

 

自分の心を透明で清らかなものにしたいと願うことは、嫉妬の苦しみから逃れ、平静な心を取り戻したいということであると同時に、死後に地獄に堕ちることなく、天使や菩薩が住む天国の世界に還り、また、自らもそのような尊い存在へと向上していきたいという宗教的な願いでもあるだろう。

 

大川総裁は著書『地獄に堕ちないための言葉』の中で、平静な心と天国の存在について、「平静心が必要である。いつも、守護・指導霊が、天上界から地上の自分を見守っていることを信じることが大切だ」と指摘しているが、まずは心の持ち方そのものが、死後の世界の行き先を決めると信じて生きることが、極めて大切だということだ。

 

不思議な駄菓子によって、嫉妬心を克服するきっかけをつかみ、平静な心を守ることの大切さが描かれている点は、子供たちにとっても、嫉妬や妬みで心を汚さないための、分かりやすい教訓になるのではないだろうか。

 

 

主人公・紅子に見る、菩薩の救いと導き

本作の一番の魅力はやはり、駄菓子屋の女主人・紅子という年齢不詳の謎めいたキャラクターの存在だ。

 

今回は、天海祐希が特殊メイクを駆使して、ふくよかで威厳のある紅子を好演しているが、迷える人々に人生の導きを与え、人を惑わす悪しき存在を懲らしめるその姿は、観音菩薩と閻魔大王の要素を併せ持ったようにも見える。

 

人々に救いと導きを与える菩薩という存在について、大川隆法総裁は著書『釈迦の本心』の中で次のように語っている。

 

菩薩の本質のなかには、利他、愛があるわけですが、その愛の奥には、『世の中をよくしよう』と決意し、不退転の気持ちで、うまずたゆまず道を歩んできた者に特有の強さがあります。『堅忍不抜』という言葉で呼んでもよいでしょう。

すなわち、『人びとを救い、人類を光明化し、世界をユートピア化する』という理念のために、長い年月、うまずたゆまず山道を歩んできた人が、菩薩として活躍しているのです

 

紅子の、恰幅がよく、何事にも動じない姿は、菩薩特有の不退転の気持ちを体現しているとも言えるし、こうした児童小説が、世界各地で大ヒットするという現象自体、世界の人々の心に、"仏神の御使い"としての菩薩や天使の存在を信じる心と、その導きを求める根強い願望があることの表れでもあるだろう。

 

本作品では、心の中の願望をきっかけとして、"人生の選択"が成功と転落の分かれ道を作っていることが、子供にも分かるように丁寧に描かれている。

 

欲望にブレーキをかけることの大切さ、コツコツと努力し、清らかな心で生きることの意味、そして、天使や菩薩の導きを願う心の大切さが描かれているこの映画は、子供たちにとって、善悪を峻別する智慧を育むためのヒントともなるのではないだろうか。続編が楽しみだ。

 

『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』

【公開日】
全国公開中
【スタッフ】
原作:廣嶋玲子 jyajya 脚本:吉田玲子
【キャスト】
出演:天海祐希ほか
【配給等】
配給:東宝
【その他】
2024年製作 | 103分 | 日本

公式サイト https://zenitendo-movie.jp/

 

 

【関連書籍】

 

地獄に堕ちないための言葉

『地獄に堕ちないための言葉』

幸福の科学出版にて購入

Amazonにて購入

 

いずれも 大川隆法著 幸福の科学出版

 

 

【高間智生氏寄稿】映画レビュー

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今年はSNS型投資詐欺・ロマンス詐欺が急増 詐欺師は現代の妖怪 2024.12.28

2024年12月29日 06時04分22秒 | 日記

今年はSNS型投資詐欺・ロマンス詐欺が急増 詐欺師は現代の妖怪

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《ニュース》

今年は、SNSでのやり取りを重ねて信頼させ、または恋愛感情を抱かせ、投資金などの金銭をだまし取る「SNS型投資詐欺・ロマンス詐欺」の被害が相次ぎました。

 

《詳細》

24日の警察庁の発表によると、今年のSNS型投資・ロマンス詐欺の被害件数は、1月から11月末までで9265件となり、前年同期より5958件増し、約3倍になりました。1月から11月末までの被害額は約1141億円に上り、前年同期より763億4千万円増となっています。

 

SNS型投資詐欺の被害者の性別は、男性が55.3%、女性が44.6%と男性がやや多く、年齢層は50代以上が7割程度を占めています。投資詐欺において被害者を誘うバナー広告で悪用されたSNSやサイトはインスタグラムが28.2%で最も多く、フェイスブック(16.5%)、投資のサイト(14.2%)と続きました。バナー広告には著名人や投資家になりすました勧誘が目立ち、被害時の連絡ツールは90.9%がLINEでした。

 

また、SNS型ロマンス詐欺の被害者の性別は、男性が62.6%、女性が37.4%と男性が6割超。年齢層は40代以上が8割程度を占めました。マッチングアプリやインスタグラム、フェイスブックなどでダイレクトメッセージを送って接触し、関係を深めるケースが8割弱でした。金銭等の要求は、約7割が投資の名目だったといいます。

 

実際に確認された被害の代表的なケースとして、SNSの投資関連の広告をクリックすると、実在する投資家を名乗る人物からメッセージがSNSに届き、その投資での儲け話を信じて、必要な投資資金を指定された口座に振り込んだというものが挙げられます。

 

詐欺の被害に遭わないためには、「必ず儲かる」などというSNSやインターネット上の投資話は詐欺を疑い、不審に思ったらすぐに家族や友人、警察などに相談することが大事です。

 

《どう見るか》


中国軍の度重なる台湾周辺演習の狙いは、頼清徳とトランプへの警告か【澁谷司──中国包囲網の現在地】 2024.12.27

2024年12月28日 05時43分45秒 | 日記

中国軍の度重なる台湾周辺演習の狙いは、頼清徳とトランプへの警告か【澁谷司──中国包囲網の現在地】

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澁谷 司

 

アジア太平洋交流学会会長・目白大学大学院講師

澁谷 司

(しぶや・つかさ)1953年、東京生まれ。東京外国語大学中国語学科卒。東京外国語大学大学院「地域研究」研究科修了。関東学院大学、亜細亜大学、青山学院大学、東京外国語大学などで非常勤講師を歴任。2004年夏~05年夏にかけて台湾の明道管理学院(現・明道大学)で教鞭をとる。11年4月~14年3月まで拓殖大学海外事情研究所附属華僑研究センター長。20年3月まで、拓殖大学海外事情研究所教授。著書に『人が死滅する中国汚染大陸 超複合汚染の恐怖』(経済界)、『2017年から始まる! 「砂上の中華帝国」大崩壊』(電波社)など。

 

台湾の頼清徳総統は2024年10月10日、「双十節」の式典で演説し、中台関係について「中華人民共和国には台湾を代表する権利はない」と表明した(*1)。また、「中華民国はすでに台澎金馬(台湾本島と各離島)に根を下ろしている」と述べ、「中国と台湾は互いに隷属しない」と重ねて強調した。

(*1)2024年10月10日付『梅花新聞網』

 

 

頼清徳演説に軍事演習で警告

頼清徳演説を受け、その4日後の未明、中国軍東部戦区は台湾全島を対象とした軍事演習「連合利剣-2024B」を実施すると発表した(*2)。これは、5月20日、頼清徳が総統に就任して以来、中国軍が台湾周辺で行った2回目の軍事演習だった。

 

演習の焦点は、海空戦闘態勢の警察哨戒、基隆、高雄、花蓮等の重要港湾の封鎖と制圧、台湾への陸と海に対する攻撃、完全な台湾支配権の掌握などである。

 

台湾の国立政治大学国際関係センターの王信賢センター長代理は、この軍事演習の範囲は5月の演習(連合利剣‐2024A)よりも台湾本島に近く、基本的に(台湾海峡の)中心線を越えていると語った。

(*2)2024年10月14日付『BBC News中文』

中国富裕層に10年有効の観光ビザ 「日中友好」「戦略的互恵関係」外交はもうやめるべき 2024.12.26

2024年12月27日 05時36分35秒 | 日記

中国富裕層に10年有効の観光ビザ 「日中友好」「戦略的互恵関係」外交はもうやめるべき

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画像: 香港フェニックステレビのオンラインプラットフォームより。

《ニュース》

岩屋毅外相は就任後初めて中国を訪問し、王毅(ワン・イー)外相(共産党政治局員)と会談しました。双方が共通の利益を拡大していく「戦略的互恵関係」の推進を確認し、岩屋氏は中国人のビザ緩和措置を発表しました。

 

《詳細》

岩屋氏は会談後、一定期間内なら何回でも観光で来日できる「観光数次ビザ」について、富裕層を念頭に10年間有効とする観光ビザを新設する、団体観光ビザの滞在可能日数を15日から30日以内に拡大するなど、5項目の中国人向けビザ緩和措置を実行すると発表しました。

 

これは、中国が日本人向け短期ビザの免除再開に約4年半ぶりに踏み切ったことに応えたものであり、日中双方の人的交流を活発にし、「相互理解」を深める狙いがあったともされています。

 

中国の習近平政権も、対中追加関税の強化を掲げて対中強硬路線を鮮明にするトランプ米次期政権に対抗するべく、石破政権に接近しています。26日付日本経済新聞が報じた「以前は中国との会談はセットに苦労したが最近はスムーズに行く」という外務省幹部の言葉もそれを示唆しています。

 

また26日付読売新聞は「外交儀礼上は王氏が今回、来日する番だったが、岩屋氏は自ら先に訪中のカードを切った」と指摘していますが、中国に、岩屋氏は日中友好を重視する姿勢が強いと"評価"されたことでしょう。

 

一方、海上保安庁によると今月、「中国気象局」などと書かれたブイが沖縄県の与那国島南東で見つかっています。岩屋氏は王氏にブイ撤去を求めましたが、中国側は応じていません。

 

《どう見るか》


全国学力テストで「都道府県別の公表」見直し求める声相次ぐ 競争原理を排除すれば教育の質は低下する 2024.12.26

2024年12月27日 05時35分31秒 | 日記

全国学力テストで「都道府県別の公表」見直し求める声相次ぐ 競争原理を排除すれば教育の質は低下する

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《ニュース》

文部科学省はこのほど、小中学生を対象に毎年行われる「全国学力テスト」について、「都道府県や政令市ごとの結果を公表する」という現在の方式の見直しに向け、検討を始めることになりました。

 

《詳細》

「全国学力・学習状況調査(学力テスト)」は毎年4月、全国の小学6年生と中学3年生を対象に行われており、都道府県や政令市ごとの平均正答率を公表しています(2017年以降、小数点以下を四捨五入した整数で公表)。

 

この都道府県別の公表をめぐり、今年8月に行われた全国知事会の会合で、複数の知事から「都道府県別の公表に意味があるのか」といった声が相次ぎました。知事会が9月に行った調査では、半数以上の知事が現行の公表方法を支持する一方、3割は全国の成績のみの公表を求めるなど、見直しの必要性を訴える声も上がりました。

 

具体的な見直しの理由について、「意味があるのか分からない問題を解かせられながら、平均正答率で並べ比べられる」(滋賀県・三日月大造知事)、「生成AI(人工知能)が普及する中で、教科書を覚えて答えるようなテストをし、その平均点を眺めることを毎年やるのか」(和歌山県・岸本周平知事)、「本当に毎年やる必要があるのか。都道府県の順位を出すことに果たしてどれだけ意味があるのか」(宮崎県・河野俊嗣知事)などが挙げられています。

 

一方、「学力テストを行うことで国際的な日本の学力水準が高くなったという事実もある」(福井県・杉本達治知事)といった反論の声も上がっています。

 

こうした状況を踏まえ、今月23日に開かれた文科省の専門家会議で、結果の公表方法を検討するグループを立ち上げ、見直しに向けた具体的な検討を始めることになりました。早ければ、来年度のテストから結果の公表方法を見直すことも視野に入れ、進めるとのことです。

 

見直しを求める声の中には一定の正当性はあるかもしれません。ただ、少なくとも上記の滋賀県や宮崎県などで、平均正答率が全国平均を下回っている点は差し引いて考える必要があります。

 

《どう見るか》


対中強硬派で「日本の防衛力の抜本的強化」を唱えるコルビー氏が米国防次官に起用へ 日本は「自主防衛」の覚悟を決める時 2024.12.25

2024年12月26日 05時28分52秒 | 日記

対中強硬派で「日本の防衛力の抜本的強化」を唱えるコルビー氏が米国防次官に起用へ 日本は「自主防衛」の覚悟を決める時

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《ニュース》

トランプ次期米大統領は22日、国防次官(政策担当)にエルブリッジ・コルビー氏を指名すると発表しました。

 

《詳細》

国防次官は米国防総省のナンバー3の役職です。第一次トランプ政権で国防次官補代理を務めたコルビー氏は、対中強硬派として知られ、中国の覇権拡大を阻止する「拒否戦略」を唱え、中国抑止のためにアメリカの資源をアジアに集中させるべきだと主張しています。

 

トランプ氏は声明で、「アメリカ・ファーストの外交・国防政策の支持者として名高いコルビー氏は、国防長官に指名されているピート・ヘグセス氏と緊密に連携し、我々の軍事力を修復し、私の政策である『力による平和』を実現するだろう」と述べています。

 

また、コルビー氏は同盟国に防衛力強化を求めており、日本に対しても、防衛費を国内総生産(GDP)比で「3%程度」に引き上げるべきだとしています。

 

国防長官に指名された元FOXニュース司会者のヘグセス氏、副長官に指名された実業家のスティーブン・ファインバーグ氏は、ともに国防の専門家ではないため、政策立案に際してはコルビー氏が影響力を持つ可能性があると見られています。

 

《どう見るか》


パリ協定、提出目標「35年に60%減」で大筋了承 破綻しつつある枠組みに国を"心中"させるのか 2024.12.25

2024年12月26日 05時27分46秒 | 日記

パリ協定、提出目標「35年に60%減」で大筋了承 破綻しつつある枠組みに国を"心中"させるのか

<picture>パリ協定、提出目標「35年に60%減」で大筋了承 破綻しつつある枠組みに国を"心中"させるのか</picture>

 

《ニュース》

「パリ協定」で提出が定められている温室効果ガス排出削減目標について、政府の有識者会議は24日、「2035年に13年度比で60%、40年に同73%」とする原案を取りまとめました。

 

《詳細》

地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」では、世界の平均気温の上昇幅を産業革命前と比べて「1.5度以内」に抑えることを目指しています。その取り組みの一環として各国は、数年毎に排出量目標を国連に提出することになっています。

 

日本政府は、菅政権が2021年に「2050年のカーボン・ニュートラル」を国際公約したことを受け、「2030年に13年度比で46%削減する」という目標を提出していました。

 

来年2月、各国は2035年までの削減目標を提出することが求められています。それに向けて環境省と経済産業省は、目標内容の調整を続けてきました。両省の有識者会議はこのほど「35年に60%減、40年に73%減」とする原案を取りまとめ、それをもとに政府が年内に計画案を作成。来年2月までに閣議決定される見通しです。

 

政府は先日、新たな「エネルギー基本計画」の原案を発表しましたが、国連提出用の削減目標もそれと整合性がある形で議論されてきました。

 

日本の脱炭素・エネルギー政策の方向性を考える、節目の時期に差し掛かっています。

 

《どう見るか》