ヒマジンの独白録(美術、読書、写真、ときには錯覚)

田舎オジサンの書くブログです。様々な分野で目に付いた事柄を書いていこうと思っています。

「試行」の発行人が逝く

2012年03月16日 17時49分24秒 | 日記
吉本隆明氏が亡くなったとのニュースをテレビで知った。87歳だった。
1960年代後半から氏の著作に触れるようになり、若いときには随分いれこんだものである。
いまだに著作の多くは所蔵しているが、その大部分は物置のどこかに箱詰めしてあると思うのだが、さてどこにあるのかは定かでない。
近頃はそのような本を読む機会も少なくなってしまった。なにせ、活字を読むとすぐ眠気を催してしまうのである。

さて、吉本隆明の発言に若いときに納得したことがいくつかある。

そのひとつは、全共闘運動が華やかな時の氏の講演会での学生の質問に答えた場面での事だと記憶している。
ひとりの学生が吉本氏に「東大解体」についての自分たちの任務は何かと尋ねたのにたいして氏は次のように答えていました。
もし、君が「東大解体」をしたいのなら二つの方策がある。
ひとつは、建物の硝子窓や壁をそれらがすべてなくなるまで壊して行くことである。
もうひとつは、「東大」の仕組みを支えている「共同の幻想」の根底を変革することである。
どちらの道を選ぶかは君たちが決めることなのだ、と。

氏が語ったことで印象に残る事がもうひとつあります。
社会の変革を行おうとした変革者がその運動に挫折し、去っていったとしても、「転向」や「日和見」として自分を思うことは何も無い。彼はただ「政治生活」から離れていっただけの事なのだから、と。
吉本氏は「戦後最大の思想家」などと言われていますが、また反面、市井人としての側面を見る感じを受けた記憶があります。

物置にしまい忘れた吉本氏の本がまだありました。
その時々の社会の風景を氏独自の切り口で評論した「情況」と言う書籍です。
資料として読み返せば面白い発見が出来そうなので、また読んでみようとおもっています。




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