ニンテンドーDSの「ひぐらしのなく頃に絆」。PS2の「ひぐらしのなく頃に祭」をベースにして、全4巻に分けた移植作であるが、原作からPS2に移植されるときに削除された部分が少し復活してたり、新たな分岐があったり、CGが追加されたりしている。
選択肢も通常の選択肢と感情選択の2種類があり、それぞれの選択によって、「鬼隠し編」「綿流し編」「祟殺し編」のいずれかに分岐するようになっている。それとDS版で新しく追加された「染伝し編」(そめうつしへん)があり、これは漫画版のオリジナルである「鬼曝し編」をリメイクした話。
PS2版では分岐ルートとしては他に、圭一が事件に興味を持たずに日常を選ぶ『盥回し編』(たらいまわしへん)、「絆」では第2巻で収録予定の「綿流し編」の解答編である『目明し編』、沙都子を救うため、圭一、レナ、詩音の3人が共謀して北条鉄平の殺人を計画する『憑落し編』、「絆」では第3巻に収録予定の「鬼隠し編」の解答編であり「ひぐらしのなく頃に」の物語のターニングポイントである「罪滅し編」があるが、絆の第一章は出題編のみで、PS2版オリジナルの「盥回し編」と「憑落し編」は「絆」では除外される。
PS2版の「祭」と大きく違うところは「染伝し編」の追加と、感情選択システムだろう。
前者は「鬼曝し編」がベースになっているので、そちらを知っている人は原作とどう違うかが見どころ。原作では赤坂が担当した部分を受け持つことになるであろう新キャラの刑事がどのような活躍を見せるのか、また完結編の第4巻でも絡みがあるのかが「絆」全編を通しての楽しみと言える。
後者はX軸の「冷静」「情熱」、Y軸の「真面目」「冗談」の2軸から感情をタッチペンで選んで、その後の展開を変化させていくシステムだが、こちらはぶっちゃけあまり意味なさげだし、何より判断基準がイマイチ分からない。しかも、分岐は多くて4種類。4軸あるのだから8種類くらいの分岐があってもいいのだが、少ないときは2種類しか分岐がなかったりして、イマイチこのシステムが活かされていない気がする。新たに追加されたTIPSの付箋もこの感情選択システムをサポートするようだが、そんなサポートがなくても、いくつ分岐があるのか分かってしまうので、何度かやり直せば自然と分かってしまう。(選ぶと同時に色でどこを押せば変わるか分かるため)
第2巻以降は恐らく選択する意味もないし(選択肢が多いのは「澪尽し編」ぐらいか)、このシステムは今回限りなんでは・・・後半の物語はほとんど分岐らしきものはないしね。PS2版は各編とも序盤やラストに1~2回あるくらいだ。原作では分岐はないしね。まぁ「祭囃し編」のカケラ結びでどれを見ていくかの選択はあるけど。
とまぁDS版についてはそんな感じ。
私が最初にクリアしたのはもちろんプロローグ的な話である「鬼隠し編」。当然、順番通りに進めるつもりだ。その方が良いし、PS2版でも感じたことだが、通常のサウンドノベルやアドベンチャーとは違って、「ひぐらしのなく頃に」での分岐は意味ないものと思ってる。
自分なりの解答を得ることが目的なので、序盤で複数の物語の伏線が入ってしまう分岐システムは、推理の妨げになるし、全体の物語もボヤけてしまう。原作のほうが面白いと感じるのはこの部分が大きい。原作は分岐も何もないため、1つの物語に集中できるからだ。
まぁ既に全部見ている私は別に問題ないけど、私が初めてプレイしたのがPS2版で、序盤の出題編は伏線がこんがらがって訳分からなくなったので、DS版からやり始めた人も同じことになるんじゃないかと不安である。
あとは・・・ボイスが中途半端に入ってる点。「鬼隠し編」の名場面である「嘘だ!!」は声付のが迫力あるし、ここは入ってて良かったのだが、他が入ってたり入ってなかったり・・・個人的には入れてほしかった重要部分に声が入ってなかったり、あまり重要な部分でもないところで声が入ってたり、その声を入れる判断基準が分からなかった。
「染伝し編」のみ主要キャラはフルボイスらしいが・・・やはりDSの容量だとこの辺が限界ってところか・・・だからカートリッジは嫌なんだよな・・・。データもソフトに記録しなきゃならないし。そのセーブデータ数も圧倒的に少ない。RPGでも1個しかセーブできなかったりするし。兄弟がいる家では同じソフトが2~3個あったりするんじゃないのか?ウチには「ドラクエ4」が2つある。当然、私が最初に買ったのだが、通常プレイ用と低レベル攻略用があって、妹用の空きが無かったので、妹には自分で買ってもらった。他のゲームでも同様である。だから私はソフトとデータが分けられるPSPのほうが好きなのだ。
まぁライトユーザーにとってはあまり気にしない部分なんだろうけどね。どうせ任天堂はヘヴィユーザーを無視してるだろうし。
話が逸れたが、とりあえず、「染伝し編」を見るまで頑張ろう。