中日新聞 2010年8月13日 25面より引用
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奈良・葛城の当痲寺
奈良県葛城市の当痲寺で国宝の曼荼羅
厨子(まんだらずし)内から約五十年前
に見つかり、保管されていた男性二人の
顔が落書きされた平安時代初期(約千二
百年前)の板が、十三日から同市歴史博
物館で初めて一般に公開される。
描かれているのは、烏帽子(えぼし)
をかぶった男性二人の横顔。目鼻立ちが
はっきりした顔立ちで、一人は大きな鼻
や分厚い唇を強調した漫画のようなタッ
チ。ひげを生やしたもう一人は左目を閉
じ、ウインクをしてほほ笑んでいるよう
に見える表情が特徴的だ。(中略)
博物館によると、落書き板は1958
年秋、厨子の解体修理中に見つかり、収
蔵庫で保管。長さ約40センチ、幅約10
センチで、厨子内の柱を安定させるため
の木材として使われていた。約千二百年
前に厨子の製作に従事した工人が、同僚
など身近な人を描いた可能性が高い。
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▼よくよく眺めてみると確かにひげを生
やしてウインクをしているように見えま
すね。もう一人は大きな鼻が描かれてい
て唇も大きい、随分と達者な筆使いのよ
うに見えます。しかもそれが外部からは
見えないところにあったとは、なかなか
うまい事を考えたものです。まさか千年
以上も経ってから発見されるとは思わな
かったことでしょう。現代のポスターカ
ラーはゴキブリの餌になります。夏など
は一晩でせっかく描いた絵が食べられて
しまいます。その点墨は完璧ですね。
いつまでも残ります。