日常生活を送っていると「モグラ」と遭遇するチャンスはほとんど無いだろう。モグラは地中生活という特徴もあるが、何よりも彼らが生存するのは住宅地では無いからだ。好んで居住するのは農園の耕地部分の地下、主食がミミズであるとの生活形態に依存するからだろう。従ってモグラと遭遇する人間達は主として畑作農家である.及ばずながら我々もその末端に属している故か、時折モグラと遭遇する機会が無いでも無い。最も遭遇するのはほぼ痕跡で、モグラと直接対峙する機会はほとんど無い。太陽光線を嫌うからかも知れない。
今回、偶然だがモグラのハイウエィーを発見した。地中に掘られた直径5センチほどの丸こい穴、これが彼らの通行路、つまりハイウエィーと呼ばれるものである。やっかいなのはモグラだけでは無くネズミがこの通行路を再利用すること。モグラの通行路を使って地下を走り回り、主に根菜類を食害する。発見は遅れるし、対策は打ちようが無く困り果てるのが通例だ。
中には「風車」と呼ばれる装置を自作し、地下に振動を与えてモグラを忌避する対応もあるが、あまり効果は見られ無いようだ。師匠も風車を設置されてるが、モグラの発見指標である「モグラ塚」が見当たらないところをみると、某かの効果は出てるのかも。何分、資材が使用済みのペットポトルなので経費が安価だ。工具もナイフ1本あれば済みそうでお手軽な対策だろう。
秋になると畦道にはヒガンバナが咲き誇るが、これもモグラ対策で植え込まれた模様だ。ヒガンバナの毒素がモグラに効果的なようで、ヒガンバナの球根があるとモグラはトンネル掘削を忌避する模様、先人達の知恵である。モグラの生存地は主に畑地の地下と書いたが、ヒガンバナの多くは田圃の畦道だ。モグラの活動によりトンネルが掘られ、田圃の水が漏水するのを恐れたのだろう。
モグラとの直接対峙はほぼ無いと書いたが、ごく稀に対峙することもある。ほとんどは死んだ状態で、原因は不明だが地上に遺骸が横たわっているケースがある。数日の間に消え去っているから、何時もの「食物連鎖」が働いているのだろう。農園では猛禽類の活動は余り見かけぬが、消失の主は誰であろうか。