作物は地上に畝を作り其処で栽培するのが通例である。この常識を破るのが、いわゆる「空中栽培」だ。ドローンよろしく空中に浮かぶ訳では無い。空中へと伸びるだけなんだが、あえて「空中栽培」と称している。空中が畝の代わりなのだ。無論、それなりの準備活動が必要で、仲間達は主として竹を活用している。竹を切り出し、丸太代わりにして棚を構築する次第、我々もマメ科の栽培で棚作りみたいな事を行うが、支柱の建設とネット張りに留まっている。空中栽培の棚作りは、主に「大御所」と「長老」の役割だ。
今回は大御所の棚作りを覗いて見よう。彼は棚を構築して、カボチャとハヤトウリを栽培している。両者共にツル性で、しかもツルがかなり丈夫ときている。少々の果実がぶら下がってもビクともしないのだ。構築物のセオリーだが、まずは四隅に柱を立て、梁となる材を渡していく。その後、格子状に竹で編んでいくような手法だ。あれこれ説明するよりも画像でご覧戴いた方が早いだろう。
彼の空中棚は支柱を立て、梁を渡し終えたところだろうか。建築途上のようだ。この後、格子状の組み立てを終わり、地上に畝立てを行ったらスタンバイ完了となる。カボチャやハヤトウリを植え付けるのが4月にはいってからだから、タイミングとしては上々かな。大御所は農閑期の休眠状態かと思いきや、静かに着々と下準備は進めていた模様だ。甘く見る無かれ、水鳥は見えない水面下でしっかりと足を動かしているのだ。
地上の畝部分の整備はこれからのようだ。ハヤトウリの収穫が終わるのが晩秋、その後の植え付けは無かったようで、該当部分はシートが被せてあった。ハヤトウリの地下部分が温存されているのかも知れない。彼は「種子保存」が定例だが、両者併せ持つ手法の採用かな。ご存じかも知れないが、ハヤトウリの冬越しはかなり困難だ。幾つかの手法を組み合わせるのが安全パイかも知れませんね。
竹は丸太で使うと数年間は使用可能だ。割ると耐用年数が短くなりがちなので。彼は其処らも考慮した模様。画像では青竹と古竹とが混在してるかと思うが、使用に当たっては支障は無い。例え竹の1本とはいえ、可能な限り寿命を全うさせてやりたいものだ。
SDGsとか何とか、「流行り言葉」が飛び交っているようだが、何のことも無い。ご先祖様達が暮らしてこられた生活をなぞっているだけかと思われる。「流行り病」に翻弄されない事が肝心なのかも。