水温むとは春の季語であり、今の時期に使うのは不適切かと・・・・・そんな批判が生じるのは重々承知だが、語感が何ともピッタリ来るのだ、お許しを。季節は5月の末、当地では田植えが始まる時期でもある。流石に未だ田植え機の出現は見当たらないが、水を張られた田圃も其処彼処に。早々と代掻きが終わった農家もあるようだ。遠目の印象だが、水の温度がまさに適温な模様で、上述のような、水温む・・・・との表現に至った次第。カエルやオタマが泳ぎ回るのに相応しいかなと。
当地の田植えは、ヤマ場が6月の第1日曜かと見込まれる。兼業農家が大半の故、どうしても土日に集中しがちだ。当然ながら水の取り合いとなり、場合によっては水路に水が流れぬ状況も。源流に近い田圃から水を使用し始めるので、水系末端の我々の耕地付近は最悪の事態と為りかねない。師匠は状況を予測し、息子氏の年休を平日に依頼された模様だ。主役はサラリーマンの息子氏、彼が好む機械類の購入が大変だとのボヤキもあるが、継承者が存在するだけでも有り難いもの。
幸か不幸か、来週は1週間雨模様だそうな。作業には困難が伴うが、田圃には有り難い。水が不足する事態も回避されるかなと。代掻きのトラクターや耕耘機が走り回るのも近日中だろう。田圃も賑やかな風景となりそうだ。当地は山間の棚田地帯、小規模で曲がりくねった地形の田圃が連なっている。極めて作業効率が悪く、生産高も少量に過ぎない。継承者の不足もある意味当然かなと。一定の収入を上げようと思えば会社勤めの選択となってしまうのも現実だろう。まだしも土日の応援があるだけでも有り難いもの。我が国農業の厳しい現実であり、遠からず食糧不足の発生も予測されるかなと。
半自給半自足の生活が続けられる農家はまだしも、スーパー等に依存される都市住民の方々を危惧せざるを得ない。物流網の発達も、運べる資材あっての話、外貨の獲得と売ってくれる諸国の状況が継続できれば・・・・・・の際どい状況なのが現実なんだが。水を張られた田圃を眺めながら、取り越し苦労である事を願っているのだが。