仲間内に「校長先生」と呼ばれる人物が存在する。彼は「サツマイモ」が大好物で、そもそもの農作業への参画がサツマイモを栽培したいとの願望からだったみたいだ。どうも、最初の出合いは例の「大御所」だった模様で、何時ものパターンで農作業へと引きずり込まれたのだろう。願いが叶ってサツマイモの栽培に従事し、数年間は収穫の喜びに浸っていた。沢山の仲間達を引き連れて、収穫作業に勤しむ校長先生の姿が垣間見られたのだ。嬉々として何とも嬉しそうな姿だった。たかがサツマイモされどサツマイモ、彼にとっては宝石みたいな存在だったのだろう。
ここしばらくは姿が見えないな・・・・・・と案じていたら、畑が荒れ果ててきた。画像でご覧戴きたいが、原野とは言わないが近づきつつある状況が。どうも手が回らず放置状態のような印象だ。彼の耕地と子狸の耕地とは、農園の中で正反対の位置に属する。しかも見通しが利かないので状況の把握が困難だが、畑の現況が全てを物語っているようだ。
彼の市井での役割は現職の校長先生、つまり多忙を極める現場の先生なのだ。なんぼ農園作業が希望の活動だとしても、状況が許してくれない可能性がある。噂によると、現場の先生方は過労死ラインのまっただ中だとか。しかも残業手当はつかず、個々人の善意に縋っている状態だそうな。彼の動機でもあったサツマイモ栽培だが、目的は子ども達に焼き芋を食べさせたい・・・・・・との一念にあったようだ。彼の思いは強かったのだが、どうも数年間で諦めざるを得ないのかも知れない。
発端となった「大御所」も心配気味で、若しも作業が不可能であれば代替できる人物を探さないと、と困惑している。何よりも、焼き芋を食べ損なった子ども達が一番可哀想だ。たかがサツマイモ、されどサツマイモ・・・・・・たった一つの野菜だが、多くの物語を秘めているのだ。さて5月も半ばを過ぎた、サツマイモの定植は6月早々、校長先生のご登場は可能か否か、固唾を飲みながら状況を見守っている。