棚田が黄色一面へと変貌してきました。稲穂の実りのようです。当地の稲刈りは10月の初旬頃、間もなくの頃合いでしょう。近隣や親族総出の出動だった行事もすっかり様変わり。かっての賑わいは見られ無くなりました。静かに走る回るのはコンバインかバインダー、見られる人影も僅か数名です。オペレーターが一人でボツボツと・・・・・・いった光景もあり、寂しくなりました。反面、棚田の風景は常に変わらず、黄色の否黃金色の稲穂に圧倒されるばかりです。まさに黄金郷、田圃の中に金銀財宝が満載のようで、瑞穂の国の特異ある光景かも知れませんね。
仲間内では水田稲作も行ってましたが、離脱して10年近くなりましょうか。諸事情あったとはいえ、稲作からの脱退は寂しいものです。片肺の航空機のようで、危なげな飛行を続けている・・・・・・と言った印象でしょうか。やはり農の基本は主食の栽培でしょう。米が栽培され収穫出来てこその農業、安心度がまるで違ってきます。昔、何かの書物で拝見しましたが、東北の山間部で自給自足生活を行ってる青年が語っていました。お金を沢山持ってるよりも、薪の束がたっぷりと積み上がった光景の方が、安心感と幸感感とを実感するのです・・・・・と。
当地の棚田も少ないとは言え米作地帯、狭小で曲がりくねった田圃が連なっています。栽培には困難を伴う地形ですが、数百年の昔から営々とした米作りが行われて来ました。金剛山の山水を導入し、山間部の厳しい環境で栽培された米、美味しくないはずが無いでしょう。大半は自家用で出荷分は僅かなようです。品種は「ヒノヒカリ」が多く、我々が栽培してたのも同品種でした。稲作から離れた昨今は、専ら山形産の米を購入しています。雪国産の米は水が優れているのか、他地区産よりも美味なように思われます。
話が横道に逸れましたが、棚田はまるで黄金郷、稲穂のそよぎが金銀財宝の山盛りと見えます。ある意味、金銀財宝と等価値なんでしょう。今年は台風被害もほぼ無く、無事に収穫を迎えられそうです。コンバインやバインダーが走り回るのも間もなく、黃金の収穫が始まるのでしょう。