本日は我々が取り組んでいる草刈の小技をご紹介しようと思う。名付けて、「長老式草刈手法」。結論的にはそうたいした大技でも無いのだが、便利な手法でもある。活躍の主役は例によって刈払機、必須の小道具だ。準備するのは2枚のチップソー、1枚は切れ味鋭い物、もう1枚は使い古しの切れ味鈍き物、である。両者をうまく使い分けして草刈を行うのだ。
農作業は雑草との戦い、頻繁な草刈が必要な事はご存じかと思う。雑草のみなら刈払機の活躍でお終いなんだが、そうそう単純では無い。栽培物が混在してる場合もあり、手鎌に持ち替える事例も。基本は刈払機、まずもって切れ味鋭いチップソーを装着し、全面的に刈り取っていく。これが通常のパターンだ。当然ながら刈り残しや、刈れない根の部分が残ってしまう。要はこの残った部分の処理の手法だ。これまでは手鎌や小型の鍬で掘り起こしていた。面倒なことこのうえ無い作業だったのだ。
困った長老が編み出した手法、刈払機の再利用だ。チップソーを切れ味鈍き物に付け替え、刈払機をスコップ代わりに利用する方法論。なあんだ、との落胆の声が聞こえそうだが、大幅な時間短縮となってくれた。但し、舞い上がる砂埃で顔面が土埃だらけと成りがちなのは否めない。体が汚れるのを厭わなければ、相当なスピードアップとなってくれる。
作業中、どうしても刈り残しが発生するのはやむを得ない事。それに根の部分が取れないのは「刈る行為」だから、ある意味これも当然かと。それで残った部分を刈払機の回転で、根こそぎ掘り起こそうとの魂胆なのだ。
通常の草刈りと根起こしの草刈とは日を違えた方が望ましいだろう。挑戦する気分が異なってくるのだ。それとチップソーの交換の手間も必要なので、準備万端整った別の日が相応しいかと。長老がこの手法を思いついたのは、座りこんでの草抜きがイヤだったのかも知れないが、不服が改善を生み出したようだ。一寸した工夫で作業が楽になる、何とも好ましい。チップソーの再利用も生まれるし、体への負担も少なくなるだろう。不満点は顔中土まみれとなること、何処かで顔を洗ってから帰宅されるのが望ましいかも。