農産物の収穫は嬉しいものだが、必然的に付随するのが残骸の処分という問題である。多くはしばらく乾燥させ、しかる後に焼却との手法を取る。大半の物はこれで片付くのだが、手に負えないのがサツマイモのツルだ。ご存じのようにサツマイモは9月の下旬頃から10月に掛け収穫する。ツルを切り払い、芋を掘り出して収納するのだ。残るのがツルなのだが、上述のように乾燥の手段を取る。通常野菜なら1~2週間も乾燥させれば、焼却は十分可能だ。ところがどっこい、サツマイモにはこの原則が働かない。以下、子狸の対応を記述してみようかと思う。
子狸のサツマイモは9月の下旬頃に収穫した。従ってツルもその当時から乾燥期間に入り、かれこれ2ヶ月乾燥させたことになる。通常野菜なら乾燥しすぎて消滅しかねない期間だ。画像でご確認戴きたいが、ツルは茶色く変色するものの形状はしっかりしている。しかもまだまだ水分を蓄えているのだ。
ツルを一箇所に集め、試しに火を着けてみた。常識的には燃え上がる場面だが、微かな煙が立ちのぼるだけ、程なく煙も消えてしまった。燃えないのだ。推測するところ、まだまだ多くの水分が茎の中に潜んでいるらしい。念のため古竹を使って火力の増強を行ってみたが、状況は変わらなかった。2ヶ月間の乾燥期間を経ても水分が抜けきらない、何ともはや、強力な生命力というか何というか。サツマイモが飢饉に強い救荒作物と言われるのむ宜なるかな・・・・・・そう思えてしまう。
本日は風も強く寒波もきつい。サツマイモツルの焼却で暖を取りながら、のんびり火遊びをと思っていたがアテが外れてしまった。農園ではツルが嵩張って邪魔になるのだが、当面はまだまだの乾燥が必要なようだ。上州の空っ風では無いが、大阪湾からの強い西風に委ねるしか無いのでは。
それにしても、毎年の事ながらサツマイモのツル処分には難儀する。まだしもジャガイモの方が対応しやすい。同じイモ類とはいえ、サツマイモの方が生命力も強いのでは、と思えてくる。今、サツマイモの再評価が進んでいるようだが、強靱な生命力を緊急事態用として食糧危機への備えと位置づけるべきかも。