野原には大量のタンポポが咲き誇っている。真っ黄色の花々は何とも綺麗だが、この世界にも優勝劣敗がつきもののようだ。ご存じかと思うが、タンポポを大別すると2種類に分かれる。「関西タンポポ」と「西洋タンポポ」だ。名前からも推測できるように、前者は在来種で後者が外来種だ。外来種がしぶとく繁殖するのは外の種と同じ事、タンポポも例外では無い。当然ながら農園でも西洋タンポポが蔓延る状況に陥っている。大まかな分布を観察すると、畦道等の固い土壌には関西タンポポが、耕地など整理された場所には西洋タンポポが多いようだ。
こうした状況に危機感を抱いたのが「長老」だ。何とかして在来種の関西タンポポを守らねばならない・・・・・強固な信念の下、西洋タンポポの撲滅運動を始めだしたのだ。かれこれ数年続いている。暇さえあれば三角ホーを担いで農園内をウロウロ、見つけ次第掘りだして乾燥させ焼却処分へと持ち込んでいる。噂に聞くところでは、彼のイギリスも外来植物の繁茂に悩んでおられるそうな。何と主役は日本産の「イタドリ」と「クズ」だとか。何れも繁殖力が強く、イギリス政府を苦悩と混乱に陥らせているそうな。頑張れ外来種・・・・・イヤ違った(?)。
ともあれお互い様というか何というか。外来種の動植物に攪乱させられるのは何処も同じ。入管当局が検疫態勢で密入国防止にあたっておられるだろうが、敵もさるもの。恐らくだが、貨物船等での便乗組だろう。静かに秘やかに上陸したものと思われる。
さて肝心のタンポポ撲滅運動だが、撲滅には見分ける眼力が必要だ。簡単な判別は上記の開花場所、つまり畦道等には在来種が耕地には外来種が生存している可能性が高い。先ずは生息条件で区分を。次なる判別手法はタンポポの花を裏返して見ることだ。花の裏手にそり返しがあれば西洋タンポポで外来種、無ければ関西タンポポの在来種だ。
農園内では概ね生息条件で判別してそう間違いは無いかと思う。長老もこの手法で分別している模様。正確を期すにはそり返しを確認すれば良い。農作業に飽きたら、外来タンポポの撲滅運動に参加してみるのもアリかもですね。