農園が真っ黄色の花園に変わりつつある。主役は「菜の花」と「タンポポ」だ。とりわけ菜の花の存在が著しい。菜の花とは、厳密にはナタネの花と理解していたのだが、ナタネと言う植物は存在しないそうな。アブラナ科の植物で、搾油用に種子等を利用する物をナタネと表現するようだ。翻って簡約すると、菜の花とはアブラナ科の植物の花を指すとの理解で良さそうな印象かな。3月ともなると当然ながら冬野菜は終焉期にはいっており、とう立ちや花咲状態となっている。代表的なのは、ダイコン、キャベツ、ハクサイ、ブロッコリー、カブ等であろう。画像もこれらの花々だ。
農作業の手を休め、カメラ片手に農園を巡ってみた。数量はそう多くは無いが、彼方此方に菜の花の姿が。大半が取り残された野菜の末裔だ。中には茎葉だけを切り取ったダイコンの姿もあった。成長抑制の目論見であろう。流石にこの場合、菜の花の姿は無い。
農園の性格上、菜種油の採取など想定していないので、菜の花の姿もそう多くは無い。あちらにポツリ、こちらにポツリ・・・・・と言った案配だ。それが逆に効果的に見え、希少価値をもたらしているのかも。耕作者もそうした効果を狙った訳でも無いだろうが、風景とうまくマッチしている。仲間内でも大御所の畑が際だって咲いてるようだ。彼なりの冬籠もりの結果、出動が遅れ気味なのが結果的に花々には良好な環境となったみたい。結果良ければ全て良し・・・・・・・との言葉もあるようですが。
菜の花畑に入り日薄れ、見渡す山の端かすみ深し・・・・・こんな童謡があったかと思うが、ご記憶だろうか。確か、「おぼろ月夜」というタイトルだったような気がするが。幼少時、この歌を口ずさみながら釣り竿片手に海岸まで歩いていたことを思い出した。一面菜の花の田畑は真っ黄色の世界、当時は菜種油の採取が大きな産業だったのだ。現在同じ場所を訪ねても菜の花の姿は無いだろう。わずか数十年の月日が環境を激変してしまった模様、進化{?)を喜ぶべきか憂うべきか。