昨日、ネットでこのニュースを見ました。
以前、身体障碍者の親が、
「定員割れなのに、合格できないのはおかしい!」
と、テレビのインタビューに答えていました。
親の心情としてはわかりますが、
実は、そんな単純なものではないのです。
※ここから先は、
健常者・障碍者関係なく書いています
私は、出産前、地元の県立高校、
あの当時は、国内一国公立進学率の高い、
と言われる進学校の事務をしていました。
ですから、そこそこレベルの進学校でした。
筆記テストだけで、500点満点で、
400点以上取らないと合格できない、
地元では、「頭のいい高校」の位置づけでした。
※内申書との合算なので、
あくまでも目安です
あの当時は、まだ定員割れがないどころか、
競争率も、人口は少ない地域なのに、
1.5倍ぐらいありました。
※県立と滑り止め私立2校しか受験できない
そんな競争率で合格しても、
実は毎年留年する生徒はいたのです。
それに気が付いたのは、
入学するとすぐ、
近くの合宿所で、登山を兼ねた
親睦行事があるのに、
クラスに2.3人残っていたからです。
「どうして、あの子たち参加しないのですか?」
と聞くと、
「ああ、留年組は参加しない」
と言われ、愕然としました。
競争を勝ち抜き、入学しても、
留年する生徒がいるのか…
仮にH高校とします。
H高校は、中学で上位層が進学する高校です。
それでも、留年する生徒はいる。
教員に話を聞くと、
「不真面目というわけではなく、
真面目に授業を聞いても、
テストで点が取れない場合、
補習や追試をする。
それでも評定が2だと、留年となる」
ということでした。
20年前、まだ定員割れしていない地域で、
この状況だったのです。
わが子を出産し、2歳ごろから、
競争率は、かなり低下。
今から10年ぐらい前から定員割れするように…
理由として、今までは5地域あり、
地域ごとに受験する高校を決めていましたが、
県内全域に受験できるようになったためです。
一部の高校に、中学生がどっと受験し、
定員割れする学校が多発しました。
ならみんな合格できるのか?
実際わが子の幼馴染のお兄ちゃんお姉さんが進学しましたが、
「そういう年もあれば、ひとりだけ落ちた年もある」
と言っていました。
ただ合格点数は、かなり落ち、
400点→240点で合格した例もあるらしい。
「高校合格だけで見れば、
合格できてよかっただけど、
実際授業は400点合格ぐらいに、
合わせてやるわけだから、
ぎりぎりで入学した場合は、
かなりきついよ。
補習も、個人ではまずしないから、
塾頼みになるだろうし。
実際進級判定会議は、
2割ぐらいの生徒は、
何かあるって言われている」
と話していました。
留年しても、もちろん頑張る生徒もいますが、
大抵は中途退学をしてしまいます。
そうなると、ほかの高校を探す。
または、別の道を考えて行く。
という選択になります。
ある意味定員割れでも、合格を出さないのは、
親切なのかもしれません。
入学して、全然授業がわからないのは、
悲劇と言えます。
実際困るのは、子どもです。
また、私が高校の時、車いす生活の生徒がいたり、
H高校でもいましたが、
移動教室などは、エレベーターがない場合、
人力で運ぶことになります。
その都度協力者が必要となるのです。
あの当時は、なんとも思わずに協力していましたが、
誰も協力してくれなかった場合、
その生徒は、移動教室に行くことも出来ません。
また、中学までは特別支援専門の教員はいても、
高校では、まだ不足している実情もあります。
単純に、定員割れなら、進学させてもいいじゃないのか?
という問題ではないと、
個人的に思います。
「ついていけない 授業がわからない」となり、退学した生徒や学生が
どれだけ多いか・・ ただ入れればいいという問題ではないですね。