徒然刀剣日記

刀剣修復工房の作品・修復実績と刀剣文化活動のご紹介

脇差しの研磨

2014-12-10 21:31:34 | 刀身研摩
脇差しが研ぎあがりました!



鍛え肌は良く積み、匂縁のしまった直刃を焼く長めの脇差しです。

刀剣の研磨では、作業開始前に個人的に鑑定を行い終了後に再度鑑定をするという、密かな楽しみ方があります。
このお刀は、当初肌の分からない乱暴な研ぎが施されていましたが、南北朝期を代表する名工の在銘で、中心の様子から考えて追っ掛けていることは一目瞭然でした。
上の出来は一見現代風ですが、焼き落としが見られるなど見所の多い一振りだったので、金剛兵衛あたりかな?などと思っていましたが・・・



研ぎ上げてみると新刀然としており、見方によっては肥前刀の様にも見える大変美しいお刀でした。

当初、室町と見立てて研ぎを合わせていきましたので、全くの見当違いだったことになります(笑)。
砥石の当たり具合で分かりそうなものですが、思い込みというのは怖いものです。
少なくとも勉強不足が露見し、いい教訓になりました。

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1 コメント

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後日談 (拵師)
2014-12-24 01:08:10
先日、有識者に鑑定をお願いしたところ、室町の貝との見解でした。
研ぎの設計としては、まあまあ間違っていなかった事になります。
しかし、研磨後に新刀と見誤った私の鑑定は、イヤ!
まだまだ勉強不足を痛感しました。
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