コミュニティ巡回バスがやってきた。
このバスは行政から支援を受けて大川バスという会社の経営。
そのバス会社の本社前で降りると長尾寺は近かった。
本降りになっていたのでバスの中で出した傘をさして歩いていると足元の下水蓋に気がついた。旅に出て気づくと撮ってきたので下水の蓋の写真がかなり溜まっている。その下水の蓋には「かぐや姫のふるさと」長尾町とあった。
???かぐや姫って香川出身だった?帰宅してネットで検索したらなんだかややこしい話がたくさん出ていた。竹取の翁というのが讃岐の翁のことで、あの壬申の乱までさかのぼって民話や噂話を総合して「竹取物語」として伝承されてきたらしい。月からお酒を持ってきた姫とか聖武天皇の母の宮子だとかさまざまな説があって奥深い。
そういえば「桃太郎伝説」という本を読んだ時も鬼が異人で宝物が鉄鋼品やそれを作る技術だったとの説に感心したことがあった。
いずれ機会があったらじっくりりと「かぐや姫」についても調べてみたい。
それはさておき、長尾寺にほどなく到着した。
87番 補陀洛山 長尾寺
ご詠歌 あしびきの山鳥の尾の長尾寺 秋の夜すがら御名を唱えよ
ご本尊は聖観音菩薩。聖徳太子の開創と言われており聖武天皇や行基が訪れた。行基が霊感を得た楊柳に聖観音菩薩を刻んで御堂を建てたのが始まり。その後、弘法大師が訪れて年頭の7夜に亘って護摩祈祷を行い人々に護摩符を授けた。
静御前が出家した寺としてもしられている。

傘をさしてのお詣りもなかなか。ほかにはバスで一緒だった母娘だけですぐにいなくなった。観光客なので納経などしない。
静御前がなでこんなところに?そっか、壇ノ浦まで義経を追ってきたんだと納得。その剃髪塚のうしろにかっては宿坊だったらしい建物があり、聞けば予約制で週末に普茶料理を振る舞っているとのこと。
市街地にあるお寺は平らかで歩きやすい。
大きな草鞋が奉納された仁王門。仁王さまは運慶作だそうだ。


お寺を出るとすぐに今夜の宿の「ながお路」があった。
昔の商人宿の感じ。ずいぶんと手入れを繰り返してきたのだろう。
大きな姿見があった。部屋の鍵はない。
夕食は食堂。先客男声が三名、ビールを飲んでいた。
三人共が退職後の遍路一人旅らしい。歩きの順打ちだから明日は大窪寺で結願。どこかほっとした雰囲気が漂っている。
食後には賑やかに談笑。いろいろな人生行路の話を聞いた。
雨の勢いがなくなってきた。

明日は志度寺から始める。そこまではコミュニティバスで行ける。
で、その先はどうする?宿の予約もとっていない。
行けるところまで行こう。しかし、そこに宿はあるのか?
