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都会のビルの谷間にひっそり立つ尼寺がある。
朝晩めっきり涼しくなり、通路わきにははぎが茂っている。
前日のスコールで銀杏の実が青いまま落ちている。見上げるとまだ沢山の
実がなっているのを見てホッとする。入り口近くにはトイレがありそのわきに
もみじ芙蓉が夏の終わりを告げるように、咲いている。裏に野菜畑があったが、
駐車場になり、芙蓉の咲く近くに野菜畑を女手で作るという。しかし草が生い
茂り、農機具を使う力持ちの尼さんはいない。病気がちの安寿様と尼さん一人
の尼寺である。二三日挑戦したら疲労のためダウンしたという。何せおつとめ
と家事の合間の開拓作業である。僕はもうここへ3回来ているいつも切ない。
そしてもうそこにはさみしい秋の気配が?・・・・・
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