切り絵

浮世絵を切り絵に

広重 富士三十六景 武蔵野毛横はま

2016年09月24日 | Weblog

武蔵野毛横はま

高い視点から海面を僻撤し、西方の富士山を望む。画面中ほどの松が群生する陸地は州干島といい(神奈川県横浜市中区)、現在は周囲を埋め立てられていて、当時はこうした砂洲だった。その右手には野毛浦の家々が見える。右端の緑色のなだらかな丘陵は野毛山で、紫の雲の上にはごつごつした大山と富士山が姿を現している。広重は横に伸びる丘陵地と紫の雲で画面を上下に二分し、あたかも富士山の影が海面に映ったような位置に州千島を配している。六艘の帆船を手前から奥に向かってだんだん小さく描画して、人物はまったく見られない。   

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする