「信州諏訪湖」
信州諏訪湖は、雄大な湖面を中心にして、湖上を行きかう船、岸部に見える高島城などを前景に、画面奥手に富士の優雅な姿を配するというのが、好まれた構図だ。北斎は、真ん中手前に、出島のようなものを描き、その上に二本の松と粗末な掘っ立て小屋を配置したのだ。これによってこの絵は、諏訪湖を描いているのか、手前の松が中心なのか、よくわからなくなる。この二本松のある風景は実景ではなく、北斎の空想によるものだと思われる。松によって場面が左右に分割されているが、何故かそれが不自然に感じられないのは、北斎の腕の冴えによるのだろう。
春日井市在住、1935年私的な挿絵等に全て自由にご使用ください。
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