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ちょいボケじじいの旅・酒・エーとそれとね

毎晩酒を愛で古き日本と温泉を愛す、少し物忘れも出始めた爺が、旅日記やコレクション自慢などと、時々の興味のままを綴る。

昨日に続いて新旧の徳利をもう二つばかり

2010-06-18 13:37:26 | 工芸絵画骨董
 一合徳利をもう二つだけ、昨日は無釉薬の備前であったが今回は一つは現代ものの唐津焼、もう一つは明治ぐらいだと思われる染付の古い形の長徳利である。いずれも骨董屋の店先で安かったから買ったもの。
 冒頭写真の絵唐津風の徳利は唐津物をほとんど持っていないからと、デパートで新進作家が販売していた皮鯨のぐい呑みを買ったことがあって、その後になるのだが10年ぐらい前であったか、都内の骨董市で新しいながら花入れにしても手頃な形の徳利を見つけ、値段を訊いたら中古品扱いであまりにも安くて、酒器として盃と並べておくのもいいかということもあって購入した。でもその時には売り手が作家名は井上東也というのには、それ誰なのというぐらいで、全く訊いたことが無い名前であった。それが昨年にツアーで行った九州旅行で唐津に泊まったとき、ホテルのお土産コーナーを出発前の朝の少しばかりの時間に覗いたら、ショーケースに並べられた唐津焼の中に同じ作者のものがあるのを見つけ、帰ってからネットで調べたら唐津焼協同組合の理事長ということであった。唐津焼の骨董物はものすごく高くて、古い窯跡から掘り出したカケラなどを集めるマニアもいるという。そういうカケラを上手に組み合わせて金継して造った茶碗など、ビックリするお値段なのが不思議だった。僕は関東人だから瀬戸物という言葉には馴染んできたが、唐津物には縁無しで、李朝など朝鮮のものと似た焼物だなぐらいの感覚しか持ち合わせていない。唐津といい萩といい長く使うことで味が出てくるから、新品ピカピカは風合いに欠けていてそんなに言うほどのものと思っちゃて、こういう土ものはそれがどう化けてくれるか判断しなくちゃいけないから難しいよね。
 次の染付の細長い徳利は僕がまだこういうものを買い始めたばかりの頃、飛騨高山方面に旅行した時に通りかかった神岡町の小さなガラクタ屋の店先の道路脇に無造作に置いてあったのを見つけ、高山市内の骨董屋の高いのを見たあとだったので、良い物を見つけた気分になって購入しちゃったもの。高山市内などに置いてある染付磁器はどれも古伊万里というからこれもそうかと思って。でもこういうものを長く見てきた今になって改めて見ると、伊万里とは多少違うかなという気がして来た。ロクロ挽きからくる形や透明釉の具合など全体に柔らかい、染付の筆も走っていないから瀬戸風の感じが強いかなと。天保年間に始まり一時衰退を経て、明治になって有田や瀬戸に陶工を派遣して復興させたという飛騨の焼物渋草焼は、幾何学的な染付柄に赤絵を加えたものなどが有名だそうだが、もし染付だけのこういうものがあったとしたら愉快なんだけれどね。
                    
 神岡町はニュートリノ発見で有名になった神岡鉱山を利用したスーパーカミオカンデがあることで知られるが、これを買った頃にはそんなものは何も無い田舎だった。そんな場所だから本当にボロッちいガラクタ兼古民具など扱う小さな店だった、主ももう爺さんだったから、どういう筋のものか訊いても分からなかっただろう。高台の中には嶋〇〇?という持ち主らしい文字が入っている、どういうつもりで書き込んだんだろう、これが一升徳利だったら見かけるんだけれど一合じゃねぇ、酒屋にこの大きさでわざわざ買いに行かないだろうに。
 これらも日本酒をお燗して飲むことをしない我家では、一輪挿しとしての出番を待つばかりである。

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