肘折温泉のいつもの宿である元河原湯(冒頭写真は宿の全景)は朝市が開かれる中心部の通りからは離れた場所に、とは言っても小さな温泉街だから歩いてもすぐの川沿いの場所建っていて、最初に泊った頃からは外観は変らないが内部の改装を毎年しているようで、今までは客室以外が大きく変わってきていたのが、今回訪れたら三室ではあるが客室も新たに増えていて、案内されたのはその一室であった。
この宿は数年前に秘湯を守る会に入ったのだがそれ以前から人気の宿で、近在の客や地元出身者もここを選ぶらしくていつも満室みたいだったが、これは後で分かったのだが、来る時に通行止めとなった県道の影響らしくこの宿では珍しく今回は満室では無くて、部屋の空きがあっていい部屋に入れてくれたみたいだね。
今回に新しく出来た客室
ここは部屋に通された後に最初に置いてあるお茶菓子以外に漬物などの皿も持ってくるのだが、この日は山菜の時期だからアケビヅル新芽を煮たものが出てきた。それはソソソコに予定より遅くなったからと大急ぎで温泉に入って、そのあとすぐに夕食をということになって忙しくことではあった。
部屋ではお茶菓子以外にアケビ蔓新芽煮も
客室とは別棟に囲炉裏風のテーブルがいくつか用意された食事処があって、いつもは全部が埋まって二人だと相席も出来るのだが、この日は二卓ばかりが余っていた。ほかにも部屋出しを希望すれば対応してくれるらしいが、この日は全員がこの食事処だったらしい。
今回予約したのは囲炉裏プランというもので、事前に案内葉書があって更にサービス価格となっていたのだが、中身は変わらないからやっぱり盛りだくさんの腹一杯コースとなる。
食事処
囲炉裏には炭火にイワナが
今回はまずは各種山菜が前菜風に違う薬味調味料などが添えられて並び、春の肘折は折しも山菜の食祭りを開催していて山菜料理のオンパレードということで、それぞれの名前など食べる前に説明してくれたが、都会からの客には覚えられないだろうからと、宿に置いてあったパンフレットに写真付きの食べ方と効果の記載があった。
山菜はウルイ、アケビヅル新芽、ワラビ、アイコ、コゴミ、ウドが
パンフレットには12種類の山菜が
頼んでいたビールと地酒の花羽陽の冷酒が出てきたあとは次々に料理が運ばれてきて、これは飲むよりも食べる方が忙しくなってしまうことに。今回の冷酒は今までは最上川という銘柄だったのが地元の花羽陽の純吟となっていて、スッキリしたきれいな味で昔飲んだ記憶よりもよくなっていたみたいで、それが理由でまた宿でも仕入れるようになったのかな。この醸造元の小屋酒造は東北では一番古い蔵だそうだ。
アイナメの刺身と馬刺し 囲炉裏にあったイワナ塩焼きを皿に取って味噌を広げて
炭火の上の鍋には山形牛のすき焼き二人前が、これは鴨も選べるという
中でも絶品は少ないながら手打ち十割蕎麦で、これは二回目の脳梗塞でリハビリ中のまだ左手が不自由な宿の主人が右手だけで打っているということだが、細く切られた蕎麦はそのハンディを感じさせない出来、さらに主人が味付けを絶対に他の料理人に任せないというそばつゆはカツオ節風味がシッカリ利いた旨さにも驚いてしまう。
十割蕎麦
量が多過ぎると参ったのが山菜の天ぷらとご飯とは別だという味噌を付けた焼おにぎりで、天ぷらのタラの芽とコシアブラはどうにか腹に収めたが焼おにぎりは食べ残してしまった。
山菜天ぷら 焼おにぎり
最後のご飯はとても無理と、おすましとデザートだけを出してもらってご馳走様と相成った。
ジュンサイと田舎豆腐のおすまし デザートもオシャレに
食後は一休みしたら貸切風呂の予約時間となって、まだ膨れた腹を抱えての入浴はややぬるめの湯でよかったと、時間制限があるから長湯はしないで出てからはすぐに寝てしまうこととなった、朝が早くて長い一日だったからねぇ。