ちょいボケじじいの旅・酒・エーとそれとね

毎晩酒を愛で古き日本と温泉を愛す、少し物忘れも出始めた爺が、旅日記やコレクション自慢などと、時々の興味のままを綴る。

三日目のメインは常滑やきものの散歩道散策

2008-12-15 08:19:03 | 旅日記

 朝食は1Fの食堂レストランで名古屋らしく赤だし味噌汁で魚は小魚干物にタコ刺身、今回初めての八丁味噌をかけて食べる蕎麦には名古屋ではこういう食べ方があるんだろうかと、これは聞きそびれました。この日はやや雲が多めで目の前の海岸からセントレア空港の眺めはいまいちでしたし、離着陸する飛行機もよく見えないし爆音も聞こえませんね。

 宿はゆっくりと9時半に出て常滑中心部に北上する途中、いつも開店時間を外れて通るため立寄ったことがなかった森田・食の館が開いたばっかりの様子に初めて立寄ってみた。我々が一番乗りの客で館内は広い空間が食事処、右手一列にはここで醸造された酒、醤油、味噌にそれらの加工品などを並べて販売、さらにここの15代当主であのソニー元会長の森田昭夫氏のメモリアルホールが一郭にあって写真類など展示しビデオ映像が流されています。名古屋地区は世界のトヨタやソニーを生み出した土地なのですね。

                       

常滑はもう何回も来ていますが昔の土管などの窯業の煙突が今でも残され、黒板塀の中にある旧窯も多く残り、土管坂や硫酸瓶の土留めなどがある散策コースがやきものの散歩道として整備されていかにも焼物の町の風情があり、さらに最近は若い人の意欲的な店も増えているようで楽しい街になっています。今回は絞り染めの有松には足を伸ばさないつもりなのでここで時間を使いましょうとまずは駅ビル内観光プラザのセラに行き、今回は鯉江廣の個展販売を覗く。特徴ある釉薬使いで人気の作家と名前は知っていましたが、一番いいなぁと思った15000円のぐい呑は予約マークが既についていた。すぐ近く陶磁器会館の無料駐車場に停めてやきものの散歩道の案内図をもらいその中の最短Aコースのスタート地点に行けば、道路擁壁を展示に利用したとこなめ招き猫通りというのが2年間前にできていて名が通った常滑作家達のユニークな招き猫の焼物群を見物する。散歩道コースはもう何回か歩くけれどもノンビリといいですねぇ。ほぼどこに何があるかまたどんな店があるかは分かっているつもりですが、聞けば1年に2店舗づつぐらいは増えているそうです。今回初めて見つけたなごみという店は使っていなかった窯のある建物に手を入れて開店したばかりだそうで、自分達のところで作ったという照明スタンドはなかなかいい、これは次回来た時の楽しみに取っておきましょうと、女房が専用のものが無かったので欲しかったという納豆鉢で別作家物、感じもよくてお手頃値段だったのでこれだけは買いましょうと。昼は若い人がやっているらしい風という1Fは陶器や雑貨類販売の2Fのレストランで僕はカレー、女房はビーフシチューを注文、この器がさすがにお見事。

                       土管坂

散歩道を1周して会館駐車場に戻り、次はINAXがやっているライブミュージアムに施設が増えているようだからと立寄りさらっと一回りしてから、さらに常滑焼団地セラモールをちょっとだけ見てみようと市街を離れて向う。この団地の中に1軒だけちょっと古いものを販売するコーナーを裏に設けている店があるので覗いてみると、以前みたいに安くていいなというものはもう見当たりません、代わりに国産品と表示の超廉価アウトレットものが並んでいたので普段使いにと皿やコップ類をいくつか買ってしまった。でも昔は家族数も多かったから7個ぐらいまとめて買ったけれどもう今はせいぜい4個まででいいねと、これはチョッピリ寂しくもありますけどね。

                        手前信楽 奥常滑

 午後3時を過ぎて半田から海中トンネル経由で碧南に出て蒲郡から豊橋経由で新居を過ぎ弁天島にある宿海賀荘には一般道で走れば、一箇所のみ事故渋滞があったため昨日に続いて5時過ぎの到着。小奇麗な宿の前の看板には元は民宿と書いてあったのを民の文字だけ白塗りで消してあり、リニューアルして旅館に格上げしたのでしょうね。建物が建て混んでちょっと分かりにくい場所にあったこの宿のあたりは、僕の昔の記憶では海の中洲となっていて何も無かったと思うのだけれどと聞けば50年まえなら松林だったところとか。小学生時代の僕は父と夏休み毎日のようにこの宿の目の前、浅瀬海苔棚の先に見える深場の海を北端にして流し釣りをしたのだが、和舟を漕ぐのが上手かった父は三番鉄橋東詰めにあった橋邦という船宿でいつも舟を借りていた、その店は今もあるということです。我々の部屋は3Fの西南に海が見える角部屋で眺めはなかなか、この日の泊り客は3Fのもう一部屋に一組、2Fには出張族が地元関係者と宴会を兼ねて泊まったらしい。部屋にトイレはついていませんが、その分安いし料理自慢で繁盛しているようです。実は予約を入れたとき明日金曜日は満室ということで一日予定を繰り上げて旅行したのです。風呂は人工温泉らしいものの大きいほうは風情ある表情にまとめて照明を入れた庭を眺める岩風呂となっていて雰囲気よく作っています、24時間いつでも入いれるそうです。夕方なら宿の仲居さんなどが近くにいるので、混雑していなければ家族風呂にするなどの便宜を図ってもらえます。食事は1Fの和室食事処で、夕食に通された部屋には美濃焼中心にいろいろな焼物が飾ってあって値札もあるので訊けば、主人の友人の陶器屋が置いて欲しいというのでとか、愛想のいい小柄なお婆さんの仲居さんが笑いながら話す。料理は前菜、お造り、カキ鍋、ドウマン蟹、アワビ姿焼、エビ昆布巻、サクラエビ掻揚、イクラ飯に赤だしと香の物、ユズシャーベットと順次出てきてこれで11000円かとビックリもの、酒は三ケ日の花の舞。ワタリガニとヤシガニの相の子のようなドウマン蟹を食べるのは50年振りになるかな、これは本当に嬉しいと仲居さんに話せば、この蟹を知ってられましたか、向こうのお客さんはなんだこんなに硬い殻の蟹はと文句言ってましたと笑う。そりゃぁ浜松生まれだから当然です、昔は浜名湖で多く獲れ、味噌も身も美味しいとふるさとでは一番美味しい蟹として喜ばれたものだが、そのために乱獲されたのでしょうその後急激に獲れなくなり数年前から資源保護の効果の兆しが少しばかり出てきたということを何かで聞いた。でも二人で一匹の蟹は昔に比べるべくもない大きさで、あの頃売っていたやつの半分ぐらいでもまだ高いんだそうだ。

                           ドウマン蟹

この日の魚で浜名湖と遠州灘産だと思うのはカキと生シラス、ほかにはエビとヒラメはどうなんだろう、その他の産地はまず別でしょう。15年以上前に僕と名古屋から浜松に転勤してきた会社の友人と遠州の旨い物三つづつをあげ比べたら、ドウマン、カツオ、ナガラミと意見が一致したと、特にその後食べる機会がない舞阪港で昼にあがり夜には食卓に乗ったカツオの話を仲居さんにしたら、なんでも浜松中央卸売市場で仕入れるそうだが予約時に言ってくれれば前の浜で獲れる時期なら対応できるそうだ。浜松を引き払った者として浜名湖は懐かしくも美しい土地でこれまで舘山寺方面には宿をとっていましたが、これからはここも定宿にしましょう、それにはこの近くでも鰻白焼を買える店を探そうやと女房と話す。この日は夕方から天気が崩れて夜はかなりの風雨だったそうだが、浜名湖は内海なので波は立たず、音も気にならず僕はグッスリ眠れました。


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