11月26日 (月曜日) 晴れ
毎日新聞 コラム余録に
一生のうちに何が待っているのかは誰にも分からない。
ルーレットを回すように。就職、結婚、子育て、借金……。
▲家族や友人と夢中になったタカラの「人生ゲーム」が発売されて今年で50年になる。
国民的なゲームだ。
50年といえば、戦後間もない頃は「人生50年」が通り相場だった。
寿命の短かった時代である。
▲中国では昔から「人生百年」が決まり文句だった。
だが現実はそこまで長生きだったわけではない。
詩人の杜甫(とほ)が「人生七十古来稀(こらいまれ)なり」とうたったように、
せいぜい70年。
100年も生きる人はめったにいなかった。
▲いま、日本は世界に冠たる長寿の国になった。
政府はこのところ「人生100年」時代を強調している。
長寿はめでたい。とはいえ、
社会保障への不安から「長寿リスク」という言葉をたびたび聞く。
財政が苦しい中、高齢者も国に頼らず働き続けろ、
と尻をたたかれている気がする人は少なくないだろう。
▲考えてみれば最後は自力で人生を切り開くしかないのかもしれない。
米国版人生ゲームを輸入したタカラ創業者の佐藤安太氏はこう言っている。
「日本の子供にも自立を促す文化的、教育的な役割も果たしてきたのではないか」
▲そうは言っても国民の将来に対する政府の責任は大きい。
国は抜本的な社会保障制度改革を進めるというが、
高齢者は負担がどれだけ重くなるのか心配だろう。
最新版の「人生ゲーム」でも未来を含めて100年分の人生が待っている。
ゲームは失敗したら、やり直せるけれど。
==================
1983年の3代目人生ゲーム以降、
人生ゲームはマス目が英語版の直訳から
日本オリジナルの内容に変更され、日本独自の発展を遂げてきました。
1989年から登場した「平成版」では世相を意識し、
ヤングアダルト向け商品として話題になりました。
「人生ゲーム」の面白さは1991年から、
TVゲームをはじめ、携帯電話用ゲームやスマートフォン用アプリなど、
時代の変化に合わせて様々なツールでも遊べるようにさらに進化を遂げていきました。
毎日新聞 コラム余録に
一生のうちに何が待っているのかは誰にも分からない。
ルーレットを回すように。就職、結婚、子育て、借金……。
▲家族や友人と夢中になったタカラの「人生ゲーム」が発売されて今年で50年になる。
国民的なゲームだ。
50年といえば、戦後間もない頃は「人生50年」が通り相場だった。
寿命の短かった時代である。
▲中国では昔から「人生百年」が決まり文句だった。
だが現実はそこまで長生きだったわけではない。
詩人の杜甫(とほ)が「人生七十古来稀(こらいまれ)なり」とうたったように、
せいぜい70年。
100年も生きる人はめったにいなかった。
▲いま、日本は世界に冠たる長寿の国になった。
政府はこのところ「人生100年」時代を強調している。
長寿はめでたい。とはいえ、
社会保障への不安から「長寿リスク」という言葉をたびたび聞く。
財政が苦しい中、高齢者も国に頼らず働き続けろ、
と尻をたたかれている気がする人は少なくないだろう。
▲考えてみれば最後は自力で人生を切り開くしかないのかもしれない。
米国版人生ゲームを輸入したタカラ創業者の佐藤安太氏はこう言っている。
「日本の子供にも自立を促す文化的、教育的な役割も果たしてきたのではないか」
▲そうは言っても国民の将来に対する政府の責任は大きい。
国は抜本的な社会保障制度改革を進めるというが、
高齢者は負担がどれだけ重くなるのか心配だろう。
最新版の「人生ゲーム」でも未来を含めて100年分の人生が待っている。
ゲームは失敗したら、やり直せるけれど。
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1983年の3代目人生ゲーム以降、
人生ゲームはマス目が英語版の直訳から
日本オリジナルの内容に変更され、日本独自の発展を遂げてきました。
1989年から登場した「平成版」では世相を意識し、
ヤングアダルト向け商品として話題になりました。
「人生ゲーム」の面白さは1991年から、
TVゲームをはじめ、携帯電話用ゲームやスマートフォン用アプリなど、
時代の変化に合わせて様々なツールでも遊べるようにさらに進化を遂げていきました。