「大地に吹き荒ぶ風と共の歩み、生贄を求め凍てつく吹雪の夜を放浪する邪神。
夜空に真紅の双星が輝かん時、おぞましい腕が伸びて人間を異界へと攫っていく」
夜空に真紅の双星が輝かん時、おぞましい腕が伸びて人間を異界へと攫っていく」
・「風に乗りて歩むもの」「歩む死」「大いなる白と沈黙の神」「トーテムに印とてなき神」など数多くの異名をもつ「Ithaqua(イタクァ)」は、カナダのマニトバ州に先住していたオジブウェー族の間で、氷雪の夜に北部の森林地帯の奥を徘徊するという精霊「Wendigo(ウェンディゴ)」として知られており、毎年秋になるとフィフティ・アイランド湖の岸辺に姿を現すものと信じられている。
・運悪くこの邪神に遭遇してしまった人間は、生贄として地球外の遠方の土地を連れ回された後に「Hastur(ハスター)」の元に引き出されて、最後には奇怪な凍死体となって地上に捨てられる。
・辛くも難を逃れた数少ない者の目撃談によれば、途方もなく多き人間を恐ろしく戯画化したような輪郭の影が空に現れて、まるで目のように見える二つの燃えるような明るい星が光っているということであった。
・被害者たちの死体は、行方不明となる以前に滞在したはずのない遠方の土地の物を身に着けていることが多い。
・また、生贄となった人間の中には、「Ithaqua(イタクァ)」のような姿の化け物となって、凍った足を焼かれながら森の中を永久に彷徨い続ける者もいる。
・「Ithaqua(イタクァ)」に関する神話は、「Necronomicon(死霊秘法)」や「Pnakotic Manuscripts(ナコト写本)」、「R'lyeh Text(ルルイエ異本)」の中に言及されており、ビルマ奥地のスン高原やマレー半島に潜む矮人種族のチョー=チョー人から「Lloigor(ロイガー)」や「Zhar(ツァール)」などの神性と共に崇拝されいるという。