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De Vermiis Mysteries

2009-10-29 19:38:56 | 禁断の書物

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「不運な第九次十字軍遠征のただ一人の生き残りを自称する年を経た錬金術師の著書。禁忌のネフレン=カの名前を後世に伝えた魔術書」


・「De Vermiis Mysteries(妖蛆の秘密)」を著したのは、16世紀の半ば頃にベルギーの首都ブリュッセル近くの埋葬所廃墟に隠遁していたルドウィク・プリンという名の老錬金術師である。


・第九次十字軍の唯一の生存者を自称するプリンの生年は詳らかにされていないが、とてつもない高齢であったとされている。


・ベルギー国内で魔女狩り熱が高まった1541年、プリンもブリュッセルの異端審問所に引き出され、宗教裁判の名を借りた苛烈な拷問の末、処刑される。そして自らの死に至る前に獄中にて書き上げたのが「De Vermiis Mysteries(妖蛆の秘密)」である。


・プリンの死後1年を経てドイツのケルンにて小部数が発行された「De Vermiis Mysteries(妖蛆の秘密)」は、鉄の表紙が付けられた黒い書物であったとも、ゴシック体の二つ折判装丁であったとも言われている。


・「De Vermiis Mysteries(妖蛆の秘密)」の初版本は、教会によって直ちに発禁処分を受けており、その後、暫らくして検閲済みの削除版が刊行されているが、資料価値は極めて低い。


・1820年に、チャールズ・レゲットの翻訳した英語版が刊行されているが、これは初版本を元にしているらしい。現存している15部の初版本のうちの1部は、ミスカトニック大学附属図書館に所蔵されている。


・この書物に記されているのは、シリア、エジプト、アレクサンドリアといった中東・アフリカの土地でプリンが知り得た禁断の知識ならびに秘密の術法の数々である。


・古代エジプトの伝説を記した「サラセン人の儀式」という章では、大蛇セトやオシリスなどのよく知られている神々と並んで「死者の書」からも、その存在を抹消されたネフレン=カといった知られざる存在について詳細に記述されている。


・特筆すべきは、「眼に見えざる朋輩」、「星の送りし下僕」の名で知られ、晩年のプリンの身辺に常に群れをなしていたという使い魔の召喚方法であろう。



「マクベス」 舞台内容 一幕七場 (1)

2009-10-29 09:33:31 | 「マクベス」

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 マクベスの居城―― 安心しきったダンカン国王を城内に迎え、いよいよ事に及ぶに当たってマクベスは躊躇する。
 彼は、国王殺害を確実に実行出来るかどうかについて慎重になった。
もし失敗すれば、確実に報復されて身の破滅である。


        'He's here in double trust:
   First, as I am his kinsman and his subject,
   Strong both against the deed: then as his host,
   Who should against his murderer shut the door,
   Not bare the knife myself.'
        (王が今ここにいるのは二重の信頼からだ。
 先ず第一に、俺は身内であり臣下である、いずれにしろ
 そんなことはやりっこない。次に今夜は主役、逆心を
 抱いて近寄る者を防ぐ役目で、それを自ら短剣を
 振りかざすなどもっての他だ)


 ダンカンに対する三重の関係(親戚、臣下、主役)において、彼を殺す理由を見出すことが出来ないが、マクベスには、それがあったのだ。


 彼が考えたことは、このような殺人が行なわれたら、異常な騒ぎが起こるであろうということだった。
 慎重といえば聞こえがいいが、結局、マクベスは小心者ということだ。


                          'Besides, this Duncan
   Has borne his faculties so meek, hath been
   So clear in his great office, that his virtues
   Will plead like angels, trumpet-tongued, against
   The deep demnation of his taking-off.'
              (そのうえ、ダンカンは、
 生まれながらにして温和な君徳の持ち主、国王として、
 一点の非の打ちどころがない、うっかり手を下そうものなら、
 その長所が、天使のように声高らかに非道の罪を揚げるだろう)


 マクベスの動機は、自らの野心のみであり、正当性がない。
下手をすれば、周りから非難の声が揚がり、彼の目的が挫かれる怖れが十分に考えられるのだ。
                         'I have no spar
   To prick the sides of my intent, but only
   vaulting ambition, which o'erleaps itself,
   and falls on the side.'
             (俺の意中の馬(目的)の
 脇腹を突く拍車がない、ただ野心だけが跳び跳ねたがる、
 飛び乗ったはよいが、鞍越しに向こう側に落ちるのが
 関の山だ)


 故に、もうこれ以上進むまいと一旦は決心し、妻が現れると、その様に話すのだった。