「能而示之不能」
(能なるもこれに不能を示せ)【始計篇】
「できるのに、できないふりをしろ」という意味で、「能ある鷹は爪を隠す」ということだ。
今は宣伝の時代で黙っていたら、認められるどころか、周囲に埋没して遅れを取ってしまうではないかと不安を感じる社会なのだが、だからといって過剰なまでに自己の才能を誇示することも危険である。
能力以上の自分を演出することは、常に無理をしていなくてはならず、慢性的に精神にストレスを抱えてしまうのも現在社会の実情でもある。
その中にあって孫子の「できるのに、できないふりをしろ」とは、ある意味、背伸びをせずに余裕を持って進めという処世術ではないかと思うのだ。
先ず、自己宣伝をしなければ、人から妬まれずにすむ。人からそれ以上のことを教えてくれる。
そして、自然にその才能が認められるようになれば、より一層、輝きが増すと、考えたのではないだろうか。
そして、自然にその才能が認められるようになれば、より一層、輝きが増すと、考えたのではないだろうか。
物事は、一面的には計れないが、状況に応じて使い分ける必要があるのではないかと思う。
これが、孫子の「詭道」の一つである。
これが、孫子の「詭道」の一つである。