gooブログはじめました!

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

能而示之不能

2009-10-28 20:31:32 | 孫子
 「能而示之不能」


 (能なるもこれに不能を示せ)【始計篇】


 「できるのに、できないふりをしろ」という意味で、「能ある鷹は爪を隠す」ということだ。


 今は宣伝の時代で黙っていたら、認められるどころか、周囲に埋没して遅れを取ってしまうではないかと不安を感じる社会なのだが、だからといって過剰なまでに自己の才能を誇示することも危険である。


 能力以上の自分を演出することは、常に無理をしていなくてはならず、慢性的に精神にストレスを抱えてしまうのも現在社会の実情でもある。


 その中にあって孫子の「できるのに、できないふりをしろ」とは、ある意味、背伸びをせずに余裕を持って進めという処世術ではないかと思うのだ。


 先ず、自己宣伝をしなければ、人から妬まれずにすむ。人からそれ以上のことを教えてくれる。
そして、自然にその才能が認められるようになれば、より一層、輝きが増すと、考えたのではないだろうか。


 物事は、一面的には計れないが、状況に応じて使い分ける必要があるのではないかと思う。
これが、孫子の「詭道」の一つである。



「マクベス」 舞台内容 一幕五場 (3)~一幕六場

2009-10-28 10:30:49 | 「マクベス」

イメージ 1



・一幕五場 (3)
 妻のいる自分の居城に戻ってきたマクベスは、「国王が、今夜ここへ」とダンカンが来ることを告げると、彼女は、「そして、いつお立ちに?」と答える。


 この短いやり取りで、マクベス夫妻は同じ考えでいることが分かる。
 Macbeth: To-morrow, as he purposes.
  Lady M.:                 O, never
         Shall sun that morrow see !
 (マクベス:明日、お立ちの予定でおいでだ。
  夫人:        ああ、決して
    明日の日の目を見せてはなりません!)


 ここは、やはり夫人の方が先に立っていて、ダンカンを油断させるのはマクベスの役目であり、眠ったダンカンを殺めるのが夫人の役目であった。
 普通は、反対だろうと思うんだけど…… まあ、奥さん主導と言うことで……


 'Your face, my thane, is as a book, where men
   May read strange matters: ― To beguile the time,
   Look like the time; bear welcome in your eye,
   Your hand, your tongue: look like the innocent flower,
   Be the serpent under it. He that's coming
   Must be provided for: and you shall put
   This night's great business into my dispatch;
   Which shall to all our nights and days to come
   Give solely sovereign sway and masterdom.'

 Macbeth: We will speak further.

 Lady M.:              Only look up clear !:
        To alter favour ever is to fear:
        Leave all the rest to me.
 (あなたのお顔は、不思議なことが書いてある本のよう。
 世間を欺くには、世間と同じ顔をなさらねばなりません。
 眼も、手も、舌にも、歓迎を表わし、無心の花と見せかけて、
 その陰では蛇であってください。さあ、お客様のおもてなしを
 なさなくては。今夜の大事は、私にお任せになって下さいまし。
 今後、私たちの長い日々の暮らしに、無上の権力が訪れるかどうか、
 全てがそれにかかっているのです。

 マクベス:そのことはもっとよく話し合おう。

 夫人:でも、面を明るくおあげになって下さいまし。
   気難しい顔をなさっておいででは、心に怖れありと思われます。
   後のことは、みんな私にお任せになって)


・一幕六場
 マクベスの居城前。マクベスの城が国王ダンカンを捕らえる死の罠であるのだが、ダンカンの眼には、外見しか見えておらず、彼にとって平和と安息を示す城でしかないと感じている。


 女主人の様子にも不信なものはなく、中身がどうであろうと、その外見では知る由もなかった。
 この部分は一幕四場でダンカンが自らが、「顔つきから人の心を読み取る術はない」と語った通りのことが、当に行なわれているのだ。

 この辺りが、シェークスピアの皮肉っぽさを感じる。





NECRONOMICON

2009-10-28 08:01:30 | 禁断の書物

イメージ 1


イメージ 2


「宇宙と地球の真実の歴史が書き綴られた、禁断にして窮極の魔術書。深淵の恐怖に怯えた人間が手にした最も危険な諸刃の剣」


・「NECRONOMICON(死霊秘法)」は、アラビアの狂える詩人「Abdul Alharzed(アブドゥル・アルハザード)」が730年に著した、「Great Old One(旧支配者)」や「Outer Gods(外なる神)」といった異形の神々と、それらを崇拝する宗派、その秘儀について言及した魔術書である。


・原題の「キタブ・アル・アジフ」は、魔物の吼え声だとされていた夜に昆虫の鳴き声として示すためにアラブ人が用いた言葉に由来する。


・「NECRONOMICON(死霊秘法)」という書名は、コンスタンティノーブルのテオドラス・フィレタスの翻訳で950年に刊行されたギリシャ語版に付せられたものである。


・読む者にして精神と行動に悪しき影響を及ぼしたため、総主教ミカエルにより焚書処分を受けている。
しかし、その後も禁断の知識を求める者たちの間で密やかに回覧と書写が続けられており、1228年にはオラウス・ウォルミウスによってラテン語版に翻訳され、刊行の4年後に教皇グレゴリウス9世によって発禁処分を受けている。


・ラテン語版の「NECRONOMICON(死霊秘法)」は、15世紀のドイツでゴシック体活字組の版(グーデンベルグ・ペーパー)が、17世紀にスペイン語に翻訳された版が発行されており、16世紀にはギリシャ語版がイタリアで印刷された。


・現存する物の多くは17世紀のラテン語版で、ハーヴァード大学のワイドナー図書館、ミスカトニック大学附属図書館、ブエノスアイレス大学図書館、パリの国立図書館に所蔵されており、大英図書館には15世紀のラテン語版が保管されているが、人の手を介するうちに殆どが一部の章が欠損した状態になっている。


・30数章全ての記述が揃った完本は存在せず、研究者は世界中に散らばっている「NECRONOMICON(死霊秘法)」から作った写本を継ぎ接ぎして、完本に近づけようとしている。


・アラブ語の原著は13世紀の辞典で失われてしまったと言われているが、蒐集家や神秘学者の書棚で目撃されたと言う報告が今なお耐えない。


・エリザベス女王に仕えた17世紀イギリスの魔術師ジョン・ディーの手による不完全な英語版がダンウィッチのウェイトリー家に伝わっていると言われている。